ロリコンイラストレーター
「ふーん……また日常系ねぇ……。やっぱり普通で面白くないや」
「き……厳しい」
「当たり前じゃーん。私が担当してるのは榊原先生だよ〜?」
「た……確かに。という事は今回も……」
「うん。イラストは無しねー」
「くうぅ……。というかなんであの妹のは書いてくれたんだ?」
「そりゃあの妹キャラは可愛かったからだよ〜。もっと妹書いてー。ところでまだ妹さんには合わせてくれないの?」
「あわせないって言っただろうに……。やめてくれよ。朝比奈に妹を見せたらめちゃくちゃにされそう……」
「そんなに可愛いの?ますます会いたくなっちゃった」
目を輝かせる朝比奈。
現在。
優真は朝比奈の家を訪れていた。
現在時刻は午後6時を過ぎている。
こんな時間まで年頃の男女が二人でいるなんて……とお思いかもしれないが、残念な事に朝比奈、優真共に両者を異性として見れていない。
元々優真の母親と朝比奈の母親の親繋がりがあったため、こうして午後6時にも関わらず家にいるという訳だ。
そして今。
優真は新作を朝比奈に読ませていた。
榊原の次に見せるのはいつも朝比奈と決まっている。
理由は、面白かったらイラストを書いてもらえるから。
実際過去に妹モノの小説に対しイラストを書いてもらったことがある。
事実、小説家になろうにて妹モノの小説だけがやけにPVが高かったのは妹キャラの魅力に加え、朝比奈の絵による力も大きい。
「というかもう6時過ぎてるよ?帰らなくていいの?だいちゅきな妹ちゃんが寂しいかもよー?」
「舐められてんのかな俺。というか妹は今家にいないぞ」
「な……!?もう彼氏が!?そんなの許しちゃダメだよ!どこの馬の骨かも分からない人なんて……」
「いや男友達とじゃないし……」
「本当のこと言うと思ってるの?どうせ男といるに行き待ってる……」
「何でそんなにお前が心配するんだよ……」
「当たり前でしょ〜。優真の貞操が奪われるよりもあったことも無いけど妹さんの初めてが奪われる方が2000億倍悲しいよ」
「言い過ぎだろ……」
「というか最近お前ロリのイラストしか書いてなくないか?」
「仕方ないじゃーん。ロリ関係のしか仕事来ないんだもん」
朝比奈が担当している作品についてだが、
1つはJSがメインヒロインの女子小学生ハーレム。
1つはツンデレJCが主役の甘々ラブコメ。
1つは普通のラブコメ(ロリキャラ×3)
そして最後に榊原恵の『らいとのべる』。
──つまり仕事の殆どがロリで埋め尽くされている。
榊原の『らいとのべる』にはロリが登場しないため、ロリを書かない仕事はほぼそのひとつだけと言える。
そのため自動的にロリを書く事が多くなるという状況である。
「だからこそ優真の妹さんを見たいんだよ〜。あの作品だとガッツリロリキャラだったからさ。私を進化させてよ」
「進化って……。まぁ確かに妹にロリ属性はあるかもしれないけど……ってよだれ出てるぞ」
「あっ……ごめんごめん。ティッシュ取ってちょうだい」
「その顔女子がしていいのかよ……?」
「いいよ。優真だし。イケメンとだったらもっと身だしなみ整えるけどねー。というかそんな事言ったら優真だって私の書いたロリイラストに興奮しちゃってるんでしょ?」
「ぐがっ……」
凄い勢いで言葉につまる優真。
「ほらほら。認めちゃいな。1回くらい私の娘たちを性のはけ口にした事あるんでしょ?」
「その言い方やめろ……」
「あ。もしかして同人誌の方?ダメだよ〜あーゆーのは大人になってから」
「なんなんだお前……。もう俺帰っていい?」
「やめて!ホントにやめて!」
余裕ぶっていたのはどこへやら。
優真にしがみつき、目を潤わせ懇願する。
「ひとりじゃ寂しいんだよ……。優真……私だって女の子なんだよ……?」
「言ってる意味がわかんないんだけど……。というかその艶めかしい言い方やめろ!気持ち悪いぞ!」
「ひっど!?いくらなんでも酷!?女の子に気持ち悪いなんて言っちゃ行けないんだぞ☆」
「げしっ」
「いてっ……」
「今帰ったわよ〜。あれ〜?優真くんじゃん!こんな時間まで二人でなんてー。もしかして一線を超えちゃったのかな?」
「そんな訳ないじゃないですか。お疲れ様です。絹江さん」
「相変わらず礼儀がよろしいようで。もう時間も遅いでしょ。送って行ってあげる」
「いや……大丈夫ですよ?俺は1人でも帰れ……」
「うん!乗ってこうね!優真くん!」
半強制的に優真の腕を掴みずるずると引きずっていく。
朝比奈芽位の母親、絹江はどこかこの2人を少しでも長くいさせ用といつも優真を車で送っている。
ちなみに効果は皆無である。
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「おかえりー……ってお兄ちゃん!?どうしたの!?」
「ただいま……ちょっと疲れちゃってね……」
午後7時。
朝比奈母からのセクハラ発言を受け続け、心身共にボコボコになり、フラフラと家に帰ってきた優真を見て、先に家にいた明奈は驚くやいなやすぐに優真を支えた。
「大丈夫?ほら……ベッド座って……」
「ありがとう……」
「体調悪いんだったらご飯どうする?先にお風呂入る?」
それともわ・た・し?
って言って欲しいのは作者。そんなifストーリーを書いてみたいです。
「いや。先にご飯食べる。もうお腹ペコペコなんだ」
「そっか。じゃあ持ってくるねー」
あぁ。やはり俺の妹は素晴らしい。
やっぱり妹っていいなと思う優真だった。