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僕と彼女はイタイ  作者: ガムシロップ
2/2

女児?


人は欲しがりだしたら止まらない、いわゆる〝リカちゃん人形の法則〝がある。まずリカちゃん人形を買う、これを普通だと考える。すると「次は服がほしいな〜」とか「家が欲しいな〜」とか、「こんな広い家にリカちゃんだけじゃ寂しいからお父さんやお母さんも揃えなきゃ」という具合で、欲望が欲望と連鎖していきフィーバーが止まらなくなるのである。ゆえに、人は一人のリカちゃんを胸ポケットにしまっておくのが一番いい。

要するに趣味や好きなことを広げることは得策ではないということだ


〝初めまして〜〝 〝line交換しよ〜〝 などと教室では自己紹介合戦が起きている。まぁ四月だしゼミのメンバーが一新され、初対面する人間が多いから当たり前ではある。

ここで友達を作る際、気をつけなければいけないことがある。それは私生活に干渉させないよう防御を固めることだ


「えっと、丸善君だよね。これからよろしく!」


「あっはい、よろしく」


「今度ゼミの飲みがあるんだけど、丸善君ももちろん行くよね」


「そうだね…ほぼ毎日バイトがあるからね行けたら行くね」


〝行けたら行く〝この言葉は古来よりやんわり断る際に使われる殺し文句である。行きたい意思を見せることで相手を傷つけることもなく、当日行けなくても気兼ねなく行かなくて済む、相手にも自分にも優しい地球にエコな言葉だ。もちろん乱射すると効果が薄まるため注意が必要ではある。

加えてほぼ毎日バイトがあるアピールをすることで相手が遊びに誘ってくることを予防的に阻止できる。

この布陣により、相手との距離感を付かず離れずに導くことができる。すべては遊びにお金を使いたくないためである。


「そうなんだ〜じゃあ都合がついたら来てね!」


「それはもちろん」


(まぁ絶対行かないけどね…)


そんな適切な対応終え、講義を何個か受けた後は塾の講師のアルバイトをしていく。終わるのが大体9時か10時過ぎになるため家に帰るのが遅くなる。そのためへとへとになりながら帰路なつくも、妹を思えば不思議と足取りが軽くなる。

妹とはホルモンを活性化させる働きがあるのであろう。


そんな知的な考えを巡らせながら、妹の要望に応えるためにコンビニに向かう。塾からコンビニに行く途中には神社があり、別にそこを通らなくてもコンビニには行ける。そのためいつもは神社を経由して行きはしないが、その日はただなんとなく、理由もなくその道を通った。それは気まぐれかもしれないし、運命なのかもしれない。


(やっぱ夜の神社って怖いな…ギャルゲーだと夜の学校は美女遭遇の定番スポットだが神社はないな。だって神に視姦されながらイチャラブとか無理だもの)


そんなことを思いながら境内に入ると、当たり前であるが静まりかえっており、自分の足音が余計大きく聞こえてくる


(…やっぱ怖いですし、早く通り過ぎ)


「ん〜」


「っひ!」


だれかの唸り声のような声が聞こえ、心臓が飛び出さんばかりに驚いたため、男らしくない悲鳴をあげてしまった


「ん〜…どなたさま…?」


「あの…こちらのセリフ何でございますが」


恋愛的な意味ではないがはち切れんばかり前後左右に動いている心臓を抑えながら、恐る恐る声が発してる場所を見ると


(声からして女の子なのは分かってたけど…この娘)


髪が長く低身長で、明かりがないためよく見えないが幼い顔立ち、おまけに服装がしまむらで女児が好みそうな服を着ている


(この娘…おそらく生後12〜13年と見た)


「…お兄さんはなんでここにいるのかしら?」


「なんでってそりゃ…お参りとか?」


「なんで疑問形なの…」


「いやお参りは1つの目的であって、もちろん他にも何個か神社に来た理由はあるけどもそれを第三者の方に言っても何か得るものも無いし、しいて言うなら妹のへの健康祈願や自分の百八種の煩悩を打ち砕きたく来たのであってあとは」


「お兄さんの言ってる意味が全然分からないわ…まぁお兄さん悪い人みたいではなさそうね」


彼女は笑いながらそう言い、こちらをジロジロ見てくる


(うっ…なにこの品定めされてるような気持ち…僕は二次元限定ロリコンなので無害です…どうか警察は勘弁してください。なにもしてないけど)


しばらくなめくりまわすように見てきた後、品定め終えたのか腕を組みながら黙ってしまった


「……」


「あの…そろそろ行ってもいいですかね。家には病弱な妹がいまして」


「…よし決めたわ」


「えっ何がでしょう」


「お兄さん私を買わない?」







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