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プロローグ:どうして? どうして? どうして?
──どうして?
一度目の疑問は、それだった。
理不尽に嫌われ、迫害され、命を奪われた。
何もしていないのに、それがそれであるだけで。
──どうして?
二度目の疑問は、それだった。
死してなお蔑まれ、恐れられ、忌避された。
そういうものなのだと受け入れるしかなかった。
──どうして?
三度目の疑問は、それだった。
知らないうちに苦痛と絶望を押しつけられた。
気がつけば逃れようのない恐怖に苛まれていた。
──だから、滅ぼしたいと願った。
この身を歪めた理不尽を消し去りたいから。
苦痛と絶望を押しつけてきた全てが憎いから。
万斛の怨嗟を呪いに込めて、私達は世界に叫ぶ。
────お前達を、許さないと。




