俺のじいちゃんと巫女の陰陽師
久しぶり!!!投稿遅れた!!!
そんなこんなで第4話!!!
新キャラ登場です!!!
途中から「」の前に人物名をいれるようにしてます!
それと今回から会話の「」の間にも一行あけてます!
評価、感想をくれるとありがたいです!!!
ーー暖かい木漏れ日はなく、肺を潤す新緑の香りもしない
体も瞼も重い。目はかろうじて開けられるか
瞼を開く。目に映るのは日差しを遮る岩の屋根
鼻腔を突き刺す鉄の香り。違う、血だ
魔夜の魔法を食らった時より死を感じるのだが、幸い俺は生きてるらしい
……魔夜?
「魔夜!!…っ!?い、痛てぇ…」
左脇腹から出血してる。壁にぶつかった時に怪我したのか。勢いよく起き上がったもんだから傷が開いてしまった
それよりも、だ
「魔夜…は…どこに…」
地面に手だけついて這うように動く
ぼんやりする目を思い切り開いて探す
「!!…魔夜っ…!」
俺が倒れてた場所から程近い場所で倒れてた
俺より怪我が少ないみたいだ
直接狛犬の攻撃をモロに食らったのは俺だけみたいだ
魔夜は壁にぶつかった衝撃で気絶してるみたいだ
よかった…魔夜を起こすか…
ん?狛犬…?
「そうだ!!あの狛犬……は、あれか?あんな小っちゃかったっけ?」
ともあれ、危険性を感じさせるような見た目ではなく、見たことあるようなフォルムで二匹倒れていた
「無事、浄化出来たようです」
「ぬぅおっひょ!」
いつのまにか起きていた魔夜に急に話しかけられたもんだから絶叫と言えるかどうか分からない絶叫をあげた
「そんなびっくりしなくてもぉ…」
「急に話しかけられたから…それより!怪我は…?」
「あぁ、大丈夫みたいです、直撃はしてなかったので。それより思恩さんの方が大怪我を…」
「大丈夫だ。ただちょっと出血が多いだけだ」
「動かないでくださいね」
魔夜は俺の傷口に手をかざした
「!?…おぉ」
「回復魔法です。すぐ治りますから」
魔夜の手は翡翠色に光り、瞬く間に傷口を塞いでいく
「ありがとう」
「いえいえ、現実世界でのお詫びです」
この娘いいこだなぁ…
傷口も塞がったし…
「狛犬を起こすか」
「……」
「どした?」
「なんで、狛犬は倒れてるんですかね?私たちが倒した訳でもないし、攻撃を食らった時はまだ元気でしたし…まぁ、私の油断が良くなかったですが…」
分かりやすく魔夜は落ち込む
「いや、気にするな。気づかなかった俺も悪いし、魔夜が責任を負うことじゃない」
「そんな事ないです!西区の守護者なのにこの有様は…」
「気負うな、守護者がそんな顔してちゃ事件解決も出来ないぜ」
「…そっ、そうですね!なんだかすみません…」
「いや、大丈夫だ」
この娘は真面目なんだなと実感する
思いっきり甘えさせてあげたい、じゃなくて
早く解決して、ゆっくりしてもらおう
「じゃ、じゃあとりあえず狛犬を起こしましょうか」
「そ、そうだな」
倒れてる狛犬を起こ…
『なんで、狛犬は倒れてるんですかね?』
…なんで…倒れているのか…?
「……白い、虎…」
「はい?どうかしましたか?」
「白い虎が、狛犬に向かって…」
…はっ!何を言ってるんだ俺は
また、何言ってんだこの厨二病って思われる!
「白虎の事ですか?」
「び、白虎?」
引かれるかと思ったが予想外、というか気になる発言が返ってきた
「はい、そこの祠、白虎が宿ってると言われています」
《白虎》
四神のうちの一匹で、綺麗な白い毛を持った虎
四つの方角の中で西を守ると言われている守護獣
神さまだったりする
昔じいちゃんから何か聞いた記憶がある
「んで、ここは西区…」
「はい、白虎は西を守る守護獣と言われていて、昔は崇められていたのですが…」
魔夜は少し顔を俯けて、苔の生えた祠を見た
「今や忘れられた存在なんです…遠い昔の事だとみんなは言って、祠もこのように放置状態です」
「そうなのか…」
また今度、掃除でもしに来ようか。何だか可哀想だ
「國魂さんがいればなぁ…」
「俺のじいちゃんがどしたん?」
「え?」
「え?」
え?言ったよね?國魂って
茅ヶ崎 國魂俺の祖父の名前だ
俺の家族で、俺の右手に包帯を巻いてくれた人
その人を何故魔夜が?
そういえば、包帯と祠が一瞬光ったっけ…?
ボーッと考えていた俺を現実に引き戻すように、魔夜は喋った
「おじいちゃん?」
「た…多分」
自信なくなってきた…いやいや、家族だぞ、自信もて思恩!
「そ、それより、国魂さんについて…詳しく」
「…國魂さんは、四つの区にいる四神の力を使える陰陽師だったんです」
「はぇ!?」
自信なくなってきた
「今はもういないんですが…彼がいた時は神伝郷は均衡が保たれ、平和だったんです。私たちの出番がないほど」
均衡に…平和…
何かあったのだろうか、それに…じいちゃんと決まった訳ではないが、國魂さんとやらについて調べる必要があるみたいだ
「でも、あの日以来、神伝郷から姿を消しました」
「あの日?」
「昔に大戦争が起きたんです神伝郷で」
疑問が多く、ただ謎が深まるばかりだ…
「西区に大きな図書館あるんです。今度行ってみてはいかがですか?」
「……そうするよ」
興味がない訳がない
ただ、真実を知るのが、少しだけ怖かったりする
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狛犬1「ありがとうございます!」
狛犬2「迷惑かけてしまったな。悪かった」
魔夜の魔法で多少なりに怪我を治した
その後、倒れている狛犬を起こして元いた場所へ帰した
大國神社とやらの狛犬で何らかが原因で暴走してしまったらしい
その原因が気になるのだが狛犬も分からないらしい
ただ、誰かに呼ばれたのだとは言っていた
巫女「本当にありがとうね」
大國神社の巫女さんがそう言った
この神社巫女さん1人しかいないらしい。信仰薄いのか…?鳥居と本殿しか無いしな…
確か、神社は本殿と鳥居以外に色々あるのだ。ちなみにこれもじいちゃん知識
そう思うと、小さいのかな、その巫女さんもこんなところでよく頑張ってんなぁ…
巫女「私は[陽胡 春]、この神社の巫女と陰陽師をやってるわ」
「かなり有名な陰陽師さんなんですよ〜!」
おぉ…すごい名前…いかにも陰陽師って名前だぁ
ただ、服装は紅白の巫女装束で、少し長い黒髪を組紐で束ねてる。ポニーテールだ
可愛い(切実)
「あぁ、よろしく、陽胡さん。俺は茅ヶ崎 思恩、一般人です」
「春でいいわよ。よろしくね」
「そ、そうですか…」
「もちろんタメ口でいいわよ」
やっぱ、この世界の女子コミュ力高いわ…
春 「ほんとにありがとね、2人とも」
魔夜 「いや、大丈夫ですよ!解決したなら別に!」
2人は認識があるらしく、仲もいいみたいだ
か、会話に入りづらい…
いや、入る必要なくないか?狛犬と戯れてよ…
春 「申し訳ないわね、怪我までして」
思恩「ひょえっ!?あ、あぁ、大丈夫だ。気にするな」
この世界の少女たちは忍者か何かなの?気づいたら後ろにいるねん
俺の視野が狭いだけだな…うん
思恩「あの、一つ気になるんだが…」
春 「何かしら?」
思恩 「どうして、自分で解決しに行かなかったんだ?有名な巫女さん陰陽師とあらば簡単に解決出来そうだと思ったんだが…」
う〜ん、素朴な疑問とはいえ聞くべきでは無かったか…
解決したならそれでいいだろ。この野郎、俺のバカ
思恩 「あ、ごめん、忘れてく」
春 「お腹空いてたからよ」
思恩 「……え?」
春 「お腹空いてたのよ、今まで」
お腹空いてた?
…この子、家事とか出来ない系女子か…?
巫女イコール家事できるみたいな偏見を持ってた俺がバカだった
魔夜 「春ちゃんは家事とか全然出来ませんよ」
思恩 「え、じゃあ、今までどうやって…」
春 「阿形が作ってくれるわ」
阿形…!?金剛力士像!?!?
あっ、いや、狛犬か…あ、なるほど!!
思恩 「いやなるほどじゃねぇ!!犬じゃん!料理できねぇじ…」
???「皆さんご飯ですよ〜!」
声のする方を見ると茶色がかった肩ほどの髪をサイドでしばり和服にエプロンを着てる家庭的な女の子が笑顔で呼びかけていた
思恩 「え、誰…あ、まさか」
春 「あれが阿形。狛犬のうちの1人」
阿形「はい!阿形です!お二方にご迷惑をおかけしてしまってすみません…」
思恩 「あっ、はぃ、うぇっ、あっ」
突発性コミュニティ障害が起きた俺は使い物にならないぞ
魔夜か春の説明を待とう
春 「うちの狛犬は人型になれるのよ。狛犬というか、私の式神でもあるわ。つまり元々妖怪」
思恩 「なるほどね…それも妖術か魔法か何かか」
魔夜 「妖術ですかねー。妖怪ですし、式神になると人型になるとも言われていた気がします」
春 「そうよ、何でかは分からないけど、便利だから丁度いいわ」
とりあえずは分かったが…春は相当不器用なのか…
阿形 「ともかく、ご飯ですよ!お詫びもしたいのでお二人も食べていってください!」
魔夜 「じゃあありがたく!」
洞窟にいたから時間分かんなかったが、もう夕飯時だ
気絶してからもそんな時間かからなかったみたいだ
お腹も空いたしなぁ…
思恩 「じゃ、じゃあ…ありがたく…」
ご飯を食べてくことにしよう…
はい!新キャラ 陽胡 春さん登場!!!
そこそこ気が強め?お茶目?まだあまり分かりませんね!
第5話では思恩くん図書館行きます!
じゃあまた第5話で!!!