第3話 美人なお姉さんと2人きりの異世界生活 ステータス編
「では、説明するのには、ステータス画面があった方が良いので、可視化してもらえますか?」
「えっと、どうやって可視化するんだ?」
「雅人さんは、魔法の極み、を持っているので、可視化魔法が使えるはずなんですが。」
ふむ、よく分からんが、とりあえず、使えると言うことならやってみよう、と思い、右手に力を込めてステータス画面に向かって、可視化、可視化、と念じてみると、
「あっ、見えました、見えまsって、うん? あれ? うん・・・ ええっ!?」
と、シーフが急に叫んだ。ちなみに、そのステータスは、これだ。
-----ステータス-----
信条 雅人
Lvレベル 1
HP(体力) 42
AP(攻撃力) 18
DP(防御力) 53
SP(素早さ) 29
LP(幸運) 11
MP(魔力) 302875106592253
スキル <魔法の極み>
オリジナルスキル <怖い物知らず> (痛みや、疲れを感じないスキル)
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「うおっ! どうしたんだ、急に? やっぱり、この魔力か? いや、今まであえて触れなかったんだけど、正直、一番気になってた。」
「え? これは、私にバグが起きている訳では無いのですか?」
「ああ、おそらく、そうだ。 もしも、魔力が、302兆8751億659万2253に見えているなら、シーフは正常だ。
ってか、シーフはこのことが分かってたわけじゃ無いのか? 今まで、俺のステータスはある程度分かってる的な雰囲気だったよな?」
「ええ、もちろん雅人さんが凄まじい魔力の持ち主だ、ということは分かっていましたよ。隣にいるだけでも、雅人さんの魔力はビシビシと伝わってきますから。でも、こんなわけがわからない数値だとは思わなかったんですもん。」
「え? そんなに、やばい数値なのか?」
「ああ、雅人さんはステータスのことをほとんど知らないんでしたね。では、ここで雅人さんに問題です。Lv1のプレイヤーの魔力は平均すると、どのぐらいでしょう?」
ふーむ、俺の魔力は、自分がバグってるんじゃ無いか、と疑う程の量なんだよな。って事は、
「15兆ぐらいか?」
と言うと、シーフはクスッと笑って
「いえいえ、そんなの向こうのプレイヤーと、モンスターの魔力を全部合わせても足りませんよ。」
え?
「正解は、雅人さんの予想の10兆分の1である、1.5です。」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
何を言っているんだ、シーフは?
「ちなみに、魔力は最も成長速度が遅いステータスで、記録上、最大は58です。」
「嘘・・・だろ・・・。まじ、か。」
そして俺は、一呼吸置いて、
「ヒャッホーーー、ウェエエエエエイ、アッピャッピャアアアアアーーー!!!」
とりあえず、喜びを表現しておいた。
「しかも、です、雅人さん。ステータス画面を見てください。MP(魔力)だけ他のステータスと1行間隔がありますよね。」
「あ、ほんとだ。どうしてなんだ?」
「それは、魔力が他の全ステータスに影響を与えるからなんです。」
「どういうことだ?」
「この世界での魔力は、ドラゴ●ボールで言うところの、「気」、HU●TER×HU●TERで言うところの、「オーラ」、みたいなものなんです。」
ふむ、なんとなくは分かったが、
「まだ、よく分からないな。」
「では、具体的にご説明しましょう。」
「おう、頼む。」
「HP(体力)、AP(攻撃力)、DP(防御力)、SP(素早さ)、LP(幸運)のステータスは、もちろん画面に出ている通りなのですが、実際に攻撃するときや、攻撃を受けるときなどのときにはこれらのステータスに、魔力による補正がかかるんです。さっき雅人さんが、地面を消し飛ばすことが出来たのは、これが原因です。」
「あーっと、うん。なんとなくは、分かってきたけど・・・」
「では、もっと具体的に行きましょうか。雅人さんのAPは18ですね。そこに、MP、302875106592253の補正が掛かります。補正の計算方法は、掛け合わせるだけなので、18×302875106592253=5451751918660554が、雅人さんが本気で何かに攻撃したときの攻撃力です。」
「うわ、なんだそりゃ?」
「魔力補正は、APだけで無くすべてのステータスに掛かるので、雅人さんのステータスに魔力補正を加えると、こうなります。」
-----ステータス-----
信条 雅人
Lvレベル 1
HP(体力) 12720754476874626
AP(攻撃力) 5451751918660554
DP(防御力) 16052380649389408
SP(素早さ) 8783378091175337
LP(幸運) 3331626172514783
MP(魔力) 302875106592253
スキル <魔法の極み>
オリジナルスキル <怖い物知らず> (痛みや、疲れを感じないスキル)
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わ、わー。すごーい。
さすがの、シーフもこれには、驚いたのか、ポカーンとした顔で見ていた。
「なあ、シーフ。この計算は、全部シーフが自分でやったのか?」
「え? あ、いえ。これは、魔法で計算したんですよ。」
と、少し慌てたように言った。そして、コホンと咳払いをすると、
「では、気を取り直して、ここまでで分からないことや、気になったことはありますか?」
「あ、一つ、いいか?」
「はい、何でしょう?」
「もしも、魔力補正を使って、本気で攻撃したら、魔力は無くなるのか?」
「あ、その説明をしていませんでしたね。」
と、少しはにかむシーフ、超かわいい。
「結論から言いますと、無くなりません。この世界で、魔力が減るのは、特殊な攻撃やアイテムの効果を受けた時か、魔法を使った時だけです。」
「へーそうなのか。じゃあ次は、魔法について教えてもらってもいいか?」
「はい、分かりました。」
8月2日、記録上の最大魔力を22から58に変えました。
流石に少なすぎたので。