第16話 異世界生活2日目開始
お久しぶりです。
安定の不定期更新です。
目が覚めた。いつもとは違う天井。
当たり前だ。俺は異世界に来たんだから。
ふう、と息を吐いて体を起こす。そして部屋にあった鏡を見ると、そこには完壁美青年が映っていた。
…ダレダ?
…ああ、俺か。
そういえば、昨日の寝る前に魔法で変えたんだった。意外と覚えていないものなんだなぁ。
そんでもって、たしか…フルトンの記憶をちゃんと改竄できているかどうかを確かめるんだったよな。
…よし、しっかりと思い出せたところで、フルトンの様子を見に行くか。
ベットから腰を下ろすと、部屋から出て一階へ向かった。
リビングの扉を開けると、ちょうどフルトンが朝食を並べているところだった。とりあえず、声をかけてみるか。
「おはよう、フルトン。」
うおっ、声まで優しそうなイケボになってるじゃないかっ!!喉の形が変わって、声帯も変わったってことか。
さて、フルトンの反応は…
フルトンは、こちらを向くと、頰を赤らめてうっとりとした表情で言った。
「ああ、おはよう。ま♡さ♡と♡さ♡ま。」
…ん?
ちょっと待てよ…
これは…俺の姿を見て驚かないということは、魔法はうまく作動している…のか?
「どうしたんだ?ま♡さ♡と。」
とりあえず、本当に魔法がかかっているのかを確かめる必要があるな。
「いや、昨日とは随分と態度が違うな、と思ってな。」
「ああ、昨日は自分でもどうしてあんなに冷静でいられたのか不思議なくらいだ。こんなにステキな殿方に出会えていたというのに。」
うん。やっぱり、魔法はしっかりと働いているみたいだな。
でも、フルトンが…ゴリゴリのおっさんが、赤らめた頰を手で隠して、照れながらクネクネしているのはこれ以上見ていられない。
よし、魔法の出番だな。
もちろん、魔法を使い過ぎれば誰かに感知されて、強さがバレてしまう可能性もあるからあまり多用する気は無いが、今は緊急事態だ。
ついでに、どのくらいの強さで念じれば魔法が発動するのかも実験しておこう。
昨日のフルトンの態度を思い浮かべる。
そして、最初はこれに戻れば良いなぁ、くらいに念じてみる。
「そ、そんなにま♡さ♡とに見つめられたら…」
これくらいじゃあ、発動しないみたいだな。
まあ、こんな簡単に発動してたら、街で歩いていて「あれ欲しいな〜」と思った瞬間手に入る、なんてことも起きてしまうからな。
じゃあ、次は魔法を使ってこれに戻れば良いなぁ、と念じてみる。
「じゃあ、朝食にしようか。先に顔を洗ってくるか?マサト?」
おお、フルトンが戻った!!
こんなに簡単に発動できるのか。
「魔法」って言葉がキーみたいだな。これを入れとけば、そんなに強く念じなくても魔法は発動できるようだ。
「そうだな。先に顔を洗ってくるよ。」
「じゃあ、朝食を並べておこう。そう言えば、昨日は魔物の肉で腹を壊したりはしなかったか?」
うん?急にどうしたんだ?
…って、そう言えば、昨日の夕食の時そんなことを言ったっけか。
「ああ、問題なかったぞ。それにしても、フルトン、よくあんなこと覚えていたな。軽く言っただけなのに。」
「まあな、物覚えは良い方なんだ。問題なかったなら、それで良かった。はやく顔を洗ってこい。」
フルトンは褒められて嬉しかったのか、顔を背けながら口早に言った。
顔を洗って戻ってくると、そこにはかなりの量の食事が並べられていた。
元の世界では、食料不足のせいで朝食にサプリメント以外を食べたことのない俺には、とても新鮮な光景だった。食材は…聞かないでおこう。
食事を摂りながら、俺とフルトンは今日の予定について話し合った。
「確か、マサトは冒険者ギルドに行きたいんだったな。」
「ああ、できれば登録とかも今日のうちに済ませたいんだけど、できるかな?」
「まあ、私の推薦ということにすれば大丈夫だろう。」
「もし、フルトンの迷惑になるようなら無理する必要はないぞ?別に、今日中に済ませたい理由があるわけじゃないから。」
「いや、いや。別に大した手間じゃないから、構わないぞ。じゃあ、朝食を食べ終えたらさっそく推薦状を作るか。いくつか質問、主にステータスや戦いの技術についての質問だ、をするからそのつもりでいてくれ。」
「ああ、分かった。」
…フッフッフッ。
そこにいる諸君、ステータスについての質問をどう対処するんだ、と思っているだろ。
こういう事もあろうかと、昨晩フルトンに魔法をかけた後に考えておいたのだよっ!!
朝食を食べ終え、食器等の片付けが済むと、フルトンは紙と万年筆のような物を出してきて推薦状を慣れた手つきでスラスラと書き始めた。
「こういうのは、よく書くのか?」
「そうだな、冒険者ギルドに入る方法はいくつかあるが、最も主流で簡単なのは団員に推薦状を書いてもらうことだからな。」
「へぇ、でも推薦状って誰にでも書いて良いわけじゃないだろう?書いてもらっといてこんな事言うのもおかしいけど、フルトンって俺がどのくらい強いのか知らないよな?」
俺はてっきり、ステータスや先頭技術を聞いてから推薦状を書き始めるものだと思っていたから、いきなり書き始めた時は驚いた。
「ああ、確かにマサトの力は私は全く知らない。でもな、」
そう言うとフルトンは顔をあげてニッコリと笑いながら言った。
「お前にはとても大きな力がある。それは、なんとなくだけれど分かるんだよ。長年の勘ってやつかな。」
マジかよ…この人俺の力に気づいてる。
…いや、でもまだ確信まではいってないみたいだ。それなら、まだ気付いていない潜在能力みたいな感じで押し通せる。●飯タイプだな。
「本当か?今は全然そんな気はしないけどな…」
「ふふっ、その才能が開花する時を楽しみにしているよ。」
ふう、なんとか誤魔化せたな。
こりゃあ、この先隠し通せるか不安になってきたな。誤魔化すために色々方法を考えておかないといけなさそうだな…
「じゃあ、そんな才能溢れるマサトの今のステータスを見せてもらおうかな。」
読んでいただき、ありがとうございました。
このペースで更新していくと、この話はいつになったら終わるのか、最近不安になっている作者なのでした…




