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二十歳で始める異世界生活  作者: ぽお
第1章 未定
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第14話 フルトン教授の昔話(後編)

1日に2話連続投稿です。

その後、放浪する悪魔は世界の重要な町を次々に滅ぼしていきました。町の特徴を見る、と言っていた旅はこのためだったのです。


彼らは、いくつもの町を立て続けに襲うことはありませんでした。どの町を襲うのか。どうやって襲うのか。どのような護衛がその町にいるのか。などをしっかりと確認しているようでした。

ですから、彼らの行動は鮮やかで、他の町へ救援要請をする前に滅ぼされ、どこに逃げたのかも分からないという状況でした。


人々は、放浪する悪魔に怯えながらも、様々な対抗手段を生み出していきました。火薬や、化学薬品などのような技術です。人間は「放浪する悪魔」という危機にひんすることで技術を進歩させたのです。

また、人間の体にも変化が出てきました。魔法を、魔法陣なしで使えるようになっていったのです。今までは、どんな方法を使っても魔法陣なしでは体内の魔力を使うことはできませんでした。(今のような魔力によるステータス補正もありません)それが魔法陣なしで使えるようになった、つまり、人間の体が進化したのです。


そうして人々は、だんだんと「放浪する悪魔」に対抗できる力をつけてきました。他の町への救援要請も届くようになり、逃げる先も大体の見当がつくようになっていきました。


ただ、「放浪する悪魔」の力や、作戦はとても強力なもので、町の滅亡を防ぐことはできませんでした。そうして、だんだんと世界は弱っていきました。


そんなある日、とある町が「放浪する悪魔」の攻撃を受けていると、森からたくさんの魔物が町に入ってきました。その状況を、魔法で見ていた他の町の人々は絶望しました。


しかし、そうではありませんでした。魔物達は住人には目もくれず、「放浪する悪魔」に飛びかかっていったのです。実は、放浪する悪魔は魔物も殺し、食べるようになっていました。ですから、魔物も人間と同じように放浪する悪魔に対して、恐怖と憎しみをいだいていたのです。


この時初めて、「放浪する悪魔」から犠牲が出たました。


世界の人々は希望を感じ、喜びました。そして、「放浪する悪魔」の最後の一人を倒す日を夢見て、魔物と協力しながら必死に戦いました。


そうして、「放浪する悪魔」との戦いは何十年、何百年に渡りました。人間であるはずの「放浪する悪魔」が、なぜこんなにも長い間生きることができたのかは分かりませんが、例えどれだけ長い月日が経ってもその強さは変わりませんでした。


しかし、そんな彼らも人間と魔物の攻撃を永遠に耐えることはできません。遂にリーダーの二人と、その側近の数人を残すのみとなっていました。あと1歩で「放浪する悪魔」を倒すことができる、人々はそう思いました。


ですが、人間側もそろそろ限界でした。王都と呼ばれている、最も大きく護衛も多い都市を除けば、ほとんどすべての町が滅ぼされていました。


そして遂に、「放浪する悪魔」のリーダーが側近をひきいて王都に攻め込んできました。


男のリーダーであるフリードが二人の側近を連れて町の北側から、女のリーダーであるテレジアが三人の側近を連れて町の南側から侵入しました。


これまで町を襲う時は、リーダーの二人はあまり攻撃することはありませんでしたが、今回は最後の大都市ということもあってか、先頭を走って戦っていました。


リーダー二人の力は別格でした。握力や腕力だけで人の頭を軽く引きちぎり、脚力だけで人間ダルマ落としをやってみせました。魔法陣の速度も異常に速く、魔法陣を必要としない、住人達の魔法よりも素早く発動しました。魔物と協力して、何とか傷を与えても一瞬の内に回復してしまいます。


少しすると、魔物の増援が駆けつけました。数の暴力で側近は何とか倒すことができましたが、リーダーの二人、フリードとテレジアはどうしても倒すことができません。

強い人は既にやられてしまい、残っているのは何の訓練も受けていない一般市民だけ。魔物もほとんどが殺されてしまい、増援は当分来ません。


人々が諦めそうになったそのとき、空が光であふれました。


その場にいた者が全員目を庇うほどの光でした。そして目を開けると、そこには七匹の龍がいました。七匹の龍は大きく叫びをあげると、フリードとテレジアに向かって襲いかかりました。


人々ははじめ、訳がわかりませんでしたが、自分たちの味方だと分かると、一気に希望を持ちました。七匹の龍はとても大きく、直感的に強いと感じさせるものがあったからです。


しかし、フリードとテレジアはすぐに体制を立て直すと、何の迷いもなく龍に向かって行き、同等以上の力を見せました。

二人の拳は龍とぶっ飛ばし、羽を引きちぎりました。魔法を使えば、龍の鱗を焦がし、龍は苦痛の叫びをあげました。例え龍が攻撃しても、その攻撃が二人に当たることはありません。

龍が一匹、また一匹とやられていく内に人々の心は絶望に覆われていきました。


そして、人々の心を完全にへし折ることが起きました。テレジアが、一匹の龍に胸から上を吹き飛ばされました。住民は声をそろえて「やったか?」と言いました。しかし、テレジアはそこから再生したのです。どこかのピンク色をした魔神のように。


人々は、諦めた気持ちで龍がやられていくのを眺めていました。そして七匹目の龍がやられた瞬間、不思議なことが起こりました。


七匹目の龍を中心に、薄い半透明の膜のようなものが球状に広がっていきました。その膜には、魔法陣らしきものがびっしりと書き込まれていました。

フリードとテレジアは、龍のすぐ隣にいたので逃げる暇もなくその球に飲み込まれました。そして、あんなに強かった二人の動きを完全に止めたのです。

半透明の膜はある程度広がると、動きを止めました。


人々は、何が起こっているのか全く理解できませんでした。しかし、少し経って二人がまったく動けないことが分かると、少しずつ喜びが広がっていきました。人々は喜びのあまり狂乱するほどでした。


どのくらいの時間が経ったのでしょう。人々の喜びが治まってきた頃、龍の体が光りだしました。もちろん膜の中にいた七匹目の龍も含めて。そして、龍の体は大きな光の塊になりました。

まず、七つの光の塊は一箇所に集まると、その後、三つに分かれました。


一つ目の光は、地面に落ちました。そして、七つの大きな山を作りました。これが、今の7龍山です。

二つ目の光は、空に登りました。そして、空中に浮かぶ大きな島を作りました。これが、ラピ●タ…ではなく、今の聖王国です。そして、一つ目の光が作った、山と山の間に魔法陣が浮かび上がりました。

三つ目の光は、半透明の膜でできた球を包み込みました。そして、その球の中にいた二人ごと消えてしまいました。この二人がどこへ消えたのかは、今も謎のままです。


こうして、世界には平和が訪れました。人口も徐々に回復していき、たくさんの町が復活しました。

魔物とは、無秩序、無制限に争う(・・)のではなく、ある程度のルール、制限のもとで戦う(・・)ようになりました。


そして、あの二人が復活することがないよう、魔法陣の使用を禁止にしました。魔法陣に関する書物もすべて処分しました。二人を包み込んだ膜には魔法陣が描かれていたため、魔法陣を使える者がいなくなれば絶対に封印を解くことができないからです。


こうして、今の世界ができましたとさ。おしまい。

13話を投稿した時に、ブックマークが10人に到達していることに気づき、一気にモチベーションが上がったので、書き終えることができました。

ブックマークの登録、ありがとうございます!!

こんな調子で、ハイパー不定期で更新していますが、これからもよろしくお願いします。

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