第10話 フルトン公爵⁉︎
お久しぶりです。
無事、テスト終わりました。
「お、おほん。そ、そうだマサト、続きの話は家に着いてからゆっくりとしないか?」
さっきの勘違いが余程恥ずかしいんだろう、目も合わせずにそう言ってきた。まあ、俺としても聞きたいことが纏まっていなかったのでコクンと頷いた。
「そ、そうか。それは良かった。家はここからそう遠くはないから安心してくれ。」
そう言うと、フルトンはスタスタと歩いて行った。
…………視線が気になる。
今までは裏路地にいて気づかなかったが、普通に考えてフルトンはそりゃ視線を集めるよな。俺だってすれ違ったら二度見どころか、四度見はするだろう。
歩きながら何を質問するか考えるつもりが、それどころではなく、何も思いつかないまま家に着いてしまった。
フルトンの家はめちゃくちゃ大きかった。煉瓦造りの西洋風の家で、高さは2階建なのだが、なんと言っても広い。部屋は、1階だけで20個はありそうだし、中庭まである。さらに、地下へと繋がる階段もあった。
「も、もしかしてフルトンって、大貴族様だったりするのか?」
これからは、フルトン公爵殿、って呼ばないといけなくなるかもしれない。
「いや、そうじゃ無い。まあ、この家を見ればそう思うのも無理はないが。
この家は、昔、偶然にも王族の方の命を救ったことがあったんだ。その時の褒美として与えて頂いた物なんだ。」
「なるほど、じゃあお手伝いさんとかもいるのか?」
異世界らしく、家事は勿論、主人を守るため戦うこともできるメイドさん。憧れるな。
「いいや、いないぞ。王族の方からも、こんなに大きな家だから、と提案されたんだが、私は家事が好きでな、掃除、洗濯、料理、全て自分一人でやっている。」
ああ、残念。またヒロイン候補が…
そういえば、冒険者にオネエが多いのか、まだ聞けてないな。
聞きたくないが、しかし…
「そうだ、マサト。その…さっきの裏路地での事なんだが、どうして考え込んだりしていたんだ?」
ぐっ…考えていたらちょうどその話か。まあ、いずれ分かる事だ。
思い切ってここで聞いてしまおう。
「なあ、フルトンって冒険者なんだよな?」
「ああ、そうだ。それがどうかしたか?」
「で、さっき言ってたダービーさんも冒険者?」
「ああ、そうだ。一体急に…って、ああ、そういうことか」
どうやらフルトンは察してくれたようだ。
「要するに、冒険者は私やダービーのような人間が多いのか、ってことが聞きたいんだな?」
「ああ、勿論フルトンみたいな人たちを否定するわけじゃない。そんなのは、個人の自由だと俺は思うしな。でも、やっぱりそういう人ばっかりっていうのは…」
「うん?マサトは冒険者になるつもりなのか?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
やっぱり異世界に来たら、冒険者でしょう。
俺の力がバレて、大騒ぎになる可能性はぐっと上がるが、その時はその時、素直にハーレムでも作って主人公をやるとしよう。
「そうなのか…ふふっ♪」
フルトンは嬉しそうに呟いた。
いや、その見た目で語尾に「♪」とか付けるなよ。
「冒険者のことは、安心してくれ。私とダービーが特殊なだけだから。とは言っても、やはり仕事柄上女性は少ないな。いるとしても筋肉隆々で、シルエットは私とそんなに変わらないぞ。」
え、マジかよ…
オネエばかりじゃないというのは、少し安心したが、俺の中での異世界のイメージが光速で壊れていく…
「「グゥ〜」」
二人のお腹が同時に鳴った。
「ああ、腹が減ったな。この世界については、夕飯の時でいいか?夕飯は私が作るから。」
そういえば、家事は全部フルトンが自分でやると言っていたな。
俺は料理なんて全く経験がない。というか、極度の食料不足に悩まされている今の時代−向こうの世界の話だが−料理なんて、金持ちの嗜みだったからな。
ここは、フルトンに甘えるとしよう。
「じゃあ、俺は質問することでも考えておくよ。部屋はどこを使えば良い?」
「2階は全て客室になっているから、どこでも好きなところを使ってくれ。あ、ちなみに、私のオススメは2階の1番奥の部屋だ。今までにない、新たな世界が開けるぞ。」
「1階で寝ても良いか?」
今日、新たな世界に来たばっかだっての。
「いや、冗談だから。せめて2階で寝てくれ。」
そんなことを言われると、本気で1階で寝たくなるが…
そして、俺は2階の一番手前の部屋に入った。
部屋はシンプルな作りだ。勉強机と、椅子。机の上にはスタンドが置いてある。そしてシングルサイズのベットと、小さなスローゼットがあるだけだ。
俺はベットに腰掛け、フルトンにどんなことを聞こうか考え始めた。
ーーーーーーーーーーーーー
考えがまとまると、ちょうどフルトンに呼ばれたので下に降りていった。
テーブルの上には様々な種類の料理が並んでいる。
元の世界でも見たことがあるような料理(本や、歴史の授業で見ただけだが)もあれば、全く
見たことが無い物もあった。
しかし、これだけ沢山の料理が並んでいるのを直に見るのは初めてだ。普段は2品あれば豪華な方だったが、10品は軽く超えているだろう。
「うぉおおお、めちゃくちゃ美味そうだなぁ!!」
「今日はマサトが異世界に来た記念日、いわば誕生日のようなものだ。遠慮せずにどんどん食べてくれ。」
異世界、来て良かったぁぁぁ。これだけで十分そう思えた。
「じゃあ、遠慮なくいっただっきま〜す。」
バクバクと食べ進めていく。とにかく美味い。まあ、元々が不味すぎたというのもあるのかもしれないが、どの料理もこの世の物とは思えないくらいだった。
「フルトン、これは何の肉を使っているんだ?」
「ああ、それはゴブリンの肉だな。そっちは、オークの肉をスライムで煮込んだものだ。」
え…驚きで俺の手が止まる。
「魔物って食えるの?」
「ああ、この世界の料理のほとんどには、何らかしらの形で魔物が使われているぞ。例えばスライムなんかは、出汁として使うと簡単な上に味や香りも良いから人気が高い。」
マジかよ…
普通、魔物って食っちゃダメだろ。まあ、ウルフの肉ならまだわかる。オークやゴブリンの肉も、まあ、良いだろう。でも、スライムで煮込むって何だよ。スライムってコンソメスープでも混ざってんの?
まあ、良いか。美味いし。
食べられるだけで十分ありがたい。食材なんて食えれば何だって一緒だ。
「フルトン、お腹…壊したりしないよな。」
「ん?スライムで、か?そんな話は聞いたことが無いが、異世界から来たマサトは…まあ、大丈夫だろう。」
…さ、さて、気をとりなおして、フルトンにこの世界について色々聞いていくか。
テストは終わりました。
ポケモンを買いました。
小説は…頑張ります…




