第五話 シャドウ・デッドキス・大魔王復活!?
「②。の手によって。③大魔王は。④復活させられそうになっている。⑥は、デッドキス」
我輩たちは「うーん」と唸った。
「肝心な①と⑤がないのだ……」
大体は想像がつく。来栖野律雅が、破壊の能力で肝心の光のポイントを壊したのだろう。
「全部感情のないレイフォトだったからなァ」
「これらが言っていることは真実ってわけだね」
「大魔王が復活させられそうになっているのは分かったけど、一体誰が?」
これは多分、緊急事態なのではないか。しかし、四ツ葉に相談しようにも、肝心な部分がわからないのでは、対処のしようがないだろう。
難しい顔で、考え込む我輩たちに、飴ちゃんがあえて明るい声を出した。
「でも、なんか、ワクワクするね! 全部月野原さんのレイフォトっていうのが!」
我輩は飴ちゃんの言葉にハッと我に返った。
「ちょっと待つのだ! どうして、我輩のレイフォトなのだ?」
「そうだね」鑑がくすっと笑った。
「まるで、月野原が大魔王を復活させそうになっているみたいだよなァ」
「というか、そうじゃないの~?」
「写影子、すごいね!」
皆は、朗らかに笑っている。完全に他人ごとだ。というか、ギャグか何かと思っているんじゃないのか。一人笑えない我輩は反抗心から声を上げた。
「冗談じゃないのだ! それが我輩だったら、デッドキスも我輩ってことになるのだ!」
「そうだね~」
でも、皆は冗談だと思って、完全に取り合ってない。
我輩は憤慨して、机を叩いた。
「……。もう一個、気になっていることがあるのだ!」
「な、何が?」と、飴ちゃん。
「前に、我輩はシャドウだってレイフォトに出たのだ」
「それ、ホント? そのレイフォトのシャドウは、表情があったんじゃないのかな?」
鑑は信用してないみたいだ。どうしても、我輩がシャドウとは思えないらしい。鏡がシャドウだったからこそ分かることかもしれない。でも、その根拠がわからないので我輩の本物だと誇る自信には繋がらない。
「うーうん。なかったのだ。だから、我輩は、シャドウで、デッドキスで、大魔王を復活させそうになっているのが真実なのだ……」
辺りがシーンと静まり返った。我輩は、しょぼんとしている。
しかし、鑑がプッと吹き出した。飴ちゃんがクスクスと笑いだしたことで、露世まで大笑いし始めた。
「それって最悪だなァ! 月野原!」
「写影子。大魔王を復活したら連絡してね!」
露世と鑑は涙目になるぐらい笑っている。
「もう! 笑い事じゃないのだ!」
「でも、本当に月野原さんが? なんか嘘っぽいよね~」
本当に、何かの冗談だと思っているようだ。我輩も真面目に取り合わないほうが良いのかもしれない。でも、レイフォトは真実を告げるというのに、落ち込まずにはいられないではないか。
「おっ、真っ黒なレイフォトが月野原の顔になったぜ」
先ほどまで真っ黒だったレイフォトが我輩の顔になった。
「これを、フォトリベしたら何かわかるのかな?」
「やってみるのだ」
我輩がそれをフォトリベした瞬間、空間がぐにゃりと曲がった。
「えっ!?」
「月野原!」
露世が我輩の手を取った。
次の瞬間、我輩と露世はテレポーテーションしていた。




