第四話 肝心な番号のレイフォトがない!?
あれから、三日が経過した。
オレンジ色の光のポイントは、それまでに五つ見つかったので、通学路から校舎内自宅まで、それらを発見できる限りに撮っていった。
オレンジ色のレイフォトをすべて集めたと思った我輩は、いつものように露世と鑑に呼びかけて、自習室に放課後集まった。露世と鑑が来たのを確認すると、撮ったばかりのレイフォトを机の上に五枚広げて並べた。
「じゃあ、フォトリベ部を始めるのだ」
突然、自習室のドアが開いたので、我輩はあわててレイフォトをかき集めてカバンの中に詰め込んだ。
「あ、月野原さん、やっぱりここにいたんだね!」
「な、なんだぁ。飴ちゃんかぁ。飴ちゃん、どうしたのだ?」
我輩は、再びカバンを開けてレイフォトを出す。
レイフォトを手に取りながら飴ちゃんが隣に立った。
そして、我輩に微笑みかけた。
「なんか、最近面白そうなことやってるみたいだから、俺も参加したいな~って」
「じゃあ、飴ちゃんも見学していけよ」
「そうだね、飴玉、そうすれば?」
「ありがとう、露世、夜桜」
そうして、我輩たちのフォトリベ部に飴ちゃんが参加することになった。
「写影子、レイフォトはこれ?」
鑑がレイフォトを手に取って、怪訝そうな顔になった。
「なんで、写影子なの?」
「オレンジ色のポイントばかり撮ったけど、何故か我輩のレイフォトだったのだ」
「一枚、真っ黒なレイフォトがあるんだなァ」
オレンジ色の光のポイントを撮ると、我輩のレイフォトになった。そして、まだもう一枚真っ黒なままの絵が浮かび上がってないレイフォトがある。
「へえ~、月野原さん、これもフォトリベするの?」
「まだ、絵が浮かび上がってこないのだ。だから、これはフォトリベできないのだ」
「じゃあ、写影子、絵が浮かび上がっているレイフォトをフォトリベしてみて」
「わかったのだ」
「じゃあ、俺はメモの用意だなァ」
露世は、タブレットを出してメモの用意をした。
我輩は、一枚レイフォトを手に取ってフォトリベした。
ムースのようにくるくると渦巻いて、あっという間に我輩の上半身の姿になった。
「感情のないシャドウなのだ」
「ということは、これは真実ということだね」
「そうなの?」
鑑が言い及ぼすと、そのことを知らなかった飴ちゃんが驚いていた。
『②。の手によって。イレイス!』
用が済んだ我輩のシャドウは自ら消去された。
以下同じなので省略する。
「おけ!」
「次なのだ」
『④。は復活させられそうになっている。イレイス!』
「いいよ、次」
「わかったのだ」
『⑥。は、デッドキス。イレイス!』
『③。一世紀前、本日国を襲ったのはだ~れだ?』
「これは、なぞなぞなのだ」
「だ、大魔王!」と、飴ちゃん。
『正解! イレイス!』
シャドウが消えた後は、露世のタブレットのキーボードを叩く音だけが静寂の中響いている。
「できたぜ!」
露世の成功の合図だ。
息を詰めていた我輩たちはほうっと空気を肺から吐き出した。




