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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第五章◆+◆フォトリベで三つどもえ!? 鍵を求める人たちの対決で章◆+◆
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第十話 有栖川黒烏(ありすがわこくう)

 え~? どうなっているのだ?

 こんな有名人が、選挙の応援でもないのに、こんな片田舎に来るなんて。

 唖然としていると、有栖川総理が、土手を下りてきた。


「も、もしかして、露世の知り合いなの?」

「まあ、ちょっと……」

「ええっ!? 親戚かなんかなの?」

「ははは……」


 露世がから笑いしているのだ。怪しいのだ。


「露世早く! その少年の鍵を奪いなさい!」


 今、木片の鍵は鑑の手の中にある。

 有栖川総理の泥棒じみた発言に、鑑はムッとした。


「えっ!?」


 我輩も、有栖川総理に違和感を覚えていた。


「……総理ともあろうお方が、いただけない言い方ですね」


 鑑はカバンの中にそれをそっと仕舞った。


「冗談じゃない。これは、夜桜のだからいらねーよ」


 幸いなことに露世は、有栖川総理に従う様子はない。

 もしかして、露世に気を付けろとレイフォトが示したのは、このことか。

 しかし、露世には善良な心があった。

 突き詰めるに、本当に注意すべきは有栖川総理ということか。


「ん? 二枚のレイフォトが……」


 四枚のうちの二枚が、有栖川総理の顔になった。


「ホントだね。有栖川総理の顔になったね」


 鑑も興味津々だ。

 無表情の有栖川総理のレイフォトだ。これは、フォトリベする価値がある!


「フォトリベしてみるのだ」


『①。この有栖川黒烏は。イレイス!』

『②。ニセモノのシャドウ。イレイス!』


「えっ!? ニセモノのシャドウ!?」


 途端に、有栖川総理の口が裂けて、目が血走ってギョロ目になった。

 爪が伸びて、肩から邪悪な角が数本伸びた。コウモリのような黒い翼がバサッと背中に生える。


「クククク……。その通り!」


 有栖川総理のシャドウは長い爪をこちらに示した。


「その大魔王の秘宝の鍵を我輩によこしてもらうぞ!」

「えっ!? 大魔王の秘宝の鍵!?」

「こいつ! 自由自在に姿を変えれるのか!」

「そう、我輩のシャドウの属性はドッペルゲンガーだからな!」


 もはや、悪魔にしか見えないそのシャドウ。

 それは、こちらに向かって突進してきた。

 我輩と露世の間を走ってきた。必然的に、我輩と露世は離れ離れになった。


「クソ! 月野原ァ! 俺を撮れェ!」

「分かったのだ!」


 我輩は、ピンクの魔法のカメラを構えた。


「させるか!」

「きゃあ!」


 そのドッペルゲンガーのシャドウは、我輩の手を捕まえて羽交い絞めにして、空に飛びあがった。羽をはばたかせて、空に滞空している。


「月野原写影子を助けたければ、その鍵を渡せ」


 あっという間に、窮地に陥ってしまった。

 川のせせらぎの音がのどかにしている。

 しかし、この騒々しさに、海鳥が空に散り散りに逃げて行った。


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