第七話 鑑が無事なのはどうしてなのか?~問題編~
「アレ……?」
その頃、我輩は風呂上がりだった。
ピンクの部屋着とレギンスを身に着けて、洗いたての頭にタオルを巻いていた。
カフェオレを作ったところで、さあ飲もうとマグカップを手に取ったところだった。
しかし、何もしてないのに、マグカップにひびが入った。
「不吉なのだ……」
せっかく入れたカフェオレが台無しだ。マグカップを片付けて、カフェオレを違うカップに入れ直す。席について、まったりとカフェオレを飲む。
我輩は気になっていた、先ほど撮ったレイフォトを手に取った。カフェオレを飲みながらそれを観察する。
先ほど、鑑が訪ねて来た。その後で、ピンクの光のポイントが家の前に二つできたのだ。
鑑のレイフォトなのはわかっていたが、真っ黒なままだったので、我輩はじっとレイフォトを机の上に並べて見つめていた。
「ん?」
すると、鑑の証明写真のようなレイフォトの絵が浮かび上がってきた。
「おおお! やっぱり、鑑のレイフォトだったのだ!」
カフェオレを飲み干して、我輩は椅子から立ち上がった。
そのまま、我輩はレイフォトをフォトリベする。
もくもくと、泡立てた生クリームのように形が出来ていき、最終的に蝋人形のように模られた。そして、感情のない鑑の上半身だけのシャドウになった。
それは、抑揚のない声で、傀儡のようにしゃべる。
『①。夜桜鑑は。イレイス!』
「やっぱり、鑑のことなのだ」
我輩は、鑑のことが気がかりだった。
だから、二枚目のレイフォトを躊躇なくフォトリベした。
『②。死んだ。イレイス!』
ボフンと、煙をはたいたように鑑のシャドウは消滅した。
鑑のシャドウが消えた後、我輩は放心していた。
「は……?」
我輩は、目をぱちくりさせた。
聞き間違いではないのか?
どういうことだ? 鑑が死んだ?
死んだって、鑑が?
確かに、夜桜鑑だとシャドウは明言していた。
「ちょ、ちょっと待つのだ! さっきの鑑のシャドウは感情がなかったのだ!」
テーブルの上に置いていた、スマホを取ろうとして床の上に落とした。
我輩は震える手で、それを拾う。鑑にスマホで電話をかけた。
コール音は耳に響いている。コール音が、一回、二回、三回……。
「はい? 写影子?」
「鑑!? 大丈夫なのだ!? 生きてるのだ!?」
すると、鑑は楽しそうに笑った。
「生きてるよ。何? 心配してくれてるの?」
我輩は安堵の息を吐き出しながら、椅子に体重を預けた。
でも、一体どうなっているのだろう?
鑑のレイフォトのシャドウは、無感情だった。
ということは、この鑑のレイフォトは事実を示しているのだ。
けれど、夜桜鑑は生きている。
これは一体どういうことなのか?




