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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第四章◆+◆フォトリベして四角関係!? 陰謀が渦巻くのかで章◆+◆
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第八話 露世の秘密はな~んだ?

 我輩は飴ちゃんと来栖野君について行く。すると、来栖野君は、フォトグラン学院の近くのとある公園の中に入って行った。

 来栖野君は公園のブランコの前で立ち止まった。そして、そちらを指さした。


「俺はあれを壊してくれって頼まれたんだけど……」

 飴ちゃんは、「えーと」と呟いて、我輩に助けを求めてきた。


「うん。あのブランコのところに白い光のポイントが二つあるのだ」


 我輩が答えると、飴ちゃんは驚いたようだった。


「やっぱり二人ともすごいね?!」

「いやいや、飴ちゃんには負けるのだ」

「本当に飴玉には回復の飴でお世話になっているからな」

「いやいや……」


 飴ちゃんは褒められてまんざらでもなさそうだった。


「じゃあ俺はあれを壊すから」


 そうはさせない。我輩は魔法のカメラを構えて二つの白い光のポイントを連写した。すると、我輩の魔法のカメラのフラッシュに来栖野君が気付いた。


「何枚も撮ったからもう壊しても良いのだ」

「……あっそう?」


 来栖野君は呆れたように半眼でこちらを見ている。

 何故か、来栖野君はそれ以上何も言わない。あきらめたのだろうか。

 我輩たちがそうするのを見越していたかのようだ。


「大丈夫。我輩は来栖野君が来る前に自分ひとりで来て偶然見つけたからね!」

「さあ、一文字の秘密は何かな?」


 飴ちゃんはとても楽しそうだ。手もみしてホクホク顔だ。


「露世の秘密なんてきっとろくなものじゃないのだ」


 きっと、詩口 写実の事なのだろう。彼女のことが好きとかそういう……。我輩は、その考えを打ち消すように頭を振った。


「じゃあ、フォトリベしてみるのだ」


 我輩は、一枚目のレイフォトをフォトリベしてみた。すると露世のシャドウができあがった。上半身が宙に浮いているだけの、目がガラス玉みたいないつものシャドウだ。


「やっぱり、露世のシャドウなのだ!」


 しかし、この露世のシャドウは、いつもと違い鋭い声で大笑いした。


「な、なんで大笑いしているのかな?」と、飴ちゃんが尋ねた。


「わ、我輩にきかれても知らないよ」


 そんなこと、我輩が分かるはずもない。


「来栖野君何か知っているかな?」

「月野原ちゃん、俺も解らないよ」


 構わず露世のシャドウはニヤニヤしながら喋り出す。


『一。三枚のレイフォトを。イレイス!』


 ニヤニヤしている露世のシャドウは、用が済んだらさっさと自らを消去した。なので我輩は二枚目をフォトリベした。また、この露世のシャドウは甲高い声で大笑いした。


「いつものと違うのだ」


『二。順番通りフォトリベしろ! イレイス!』


 例により、露世のシャドウは自らイレイスされた。


「三枚のレイフォトを順番通りフォトリベしろ?」

「これじゃないかな?」


 飴ちゃんが地面に落ちたレイフォトを三枚拾い上げた。


「文字が書いてあるのだ」

「えーと。『一。一文字露世は』『二。隠し事を』『三。している』だって」「そんなこと知っているのだ……」

「これをフォトリベしたら真実が分かるんじゃないかな?」

「そ、そっか」


 我輩と飴ちゃんがあーだ、こーだやっているのを来栖野君は放って置いて、白い光のポイントを両手でパンッと挟んで壊していた。

 そして、来栖野君は腹に一物ありそうな冷めた目で、こちらを一瞥していた。

 我輩は、それどころではなく、それに気付くゆとりもなく、三枚レイフォトに集中していた。


「じゃあ、順番通りにフォトリベしてみるのだ」

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