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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第四章◆+◆フォトリベして四角関係!? 陰謀が渦巻くのかで章◆+◆
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第五話 夜桜鑑の誤解

 その後、我輩と露世は口を利かなかった。

 我輩と露世の仲を鑑が取り持ってくれるはずがない。

 放課後、我輩は誰かに後を付けられていた。

 怖くなって、我輩は連辞に連絡を取った。

 連辞が、夜まで我輩の家の前で見張っていてくれたのだ。

 その甲斐あって、我輩の身に何も起こることはなかった。

 でも、我輩の後を付けた連中が、鑑の手の者だとは予想だにしない。


「鑑様。本日、月野原写影子に不審な行動はありませんでした」

「そうか。分かった」


 後で聞いた話だ。

 その頃、鑑はある屋敷にいた。

 タブレットで本を読んでいたが、それをメモ帳に切り替える。

 そこには、鑑の配下に集めさせた情報がメモされてあった。


「鑑様、そこには何が書かれてあるのですか?」


 新参者の鑑の従者が、何気なく尋ねた。

 鑑は、クスリと笑った。


「これ? すべて僕に関するレイフォトからの情報だよ。探偵の能力(サーチファカルティ)でなくても、レイフォトはフォトリベできるみたいだからね」

「そうなんですか。でも、レイフォトをフォトリベなんてスゴイですね」


 だから、鑑は我輩と同じように独自でフォトリベして、情報をメモしていったようだ。


「そして、最終的に行き着いたのが、月野原写影子だ」

「彼女がまさか?」

「ああ。今日、確信を持った。彼女が黒幕だ」


 鑑は怖い顔をして、壁に貼っているポスターにダーツを飛ばした。

 それが、大きな我輩の顔の写真だと知ったら、すぐに誤解を解くために我輩は鑑に言い訳を並べただろう。


「僕は、許さないよ! 月野原写影子!」


 鑑の思惑に全く気付かずに、我輩はこれを放置することになるのだ。

 我輩の大きな顔写真がすべてダーツで埋まるまで、鑑は目の下にクマを作って恨み節を呟いていたという。

 最近、夏だというのに背筋に寒気がしていたのは、彼のせいだったらしい。

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