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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
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第十三話 三章完結 手紙

 目を開けると、なじみのある我輩の部屋の天井が見えた。

 のそのそと起き上がると、ベッドの上だった。

 布団が衣擦れの音がして我輩の体からベッドの上に落ちる。

 ぼんやりとした意識のままで考える。誰かが、我輩の家まで送ってくれたのだろうか。

 自分の姿を確かめると、我輩服のままだった。


 一階に降りていく。木の階段がわずかにきしむ音がする。

 夕暮れ時。料理をしている母の姿はなかった。母と談笑している父の姿もない。

 無人の家は、がらんとして静寂に包まれている。どの部屋も空っぽだった。

 ファミレスで見たのは、ただのシャドウじゃないか。

 ただの、嫌がらせの――。でも、どうして二人はいない……?


「なにか、手掛かり……」


 庭に出て、郵便ポストを確かめる。すると、手紙が一通入っていた。

 宛名を見ると、父からだった。

 我輩は、部屋に駆け戻って手紙を開封した。すると、手紙と写真が六枚入っていた。


「これは、レイフォト? なんで、お父さんが?」


 それは、普通の写真ではなく、レイフォトだった。

 おかしな話だった。あれほど、探偵の能力(サーチファカルティ)を否定していた父が、自らレイフォトを送ってくるだなんて。

 そもそも、父が完全に消去されたのだとしたら、これを送って来れるわけがない。

 希望があふれてきた。


 しかし、肝心の手紙は真っ白だった。

 仕方ないので、レイフォトをめくっていった。


「はは……」


 乾いた笑いが漏れる。


 レイフォトには、文字が書かれてあった。


「『①、写影子。』『②お前は』『③シャドウだ。』『④シャドウ』『⑤らしく』『⑥生きよ』かぁ……」


 我輩は肩を揺らして、泣きそうになりながら笑った。

 我輩の名前が大嫌いな理由がこれだ。

『写影子』という名前。

 我輩はこの名前のせいで、ずっと誰かの写影シャドウだと思っていた。

 恐れていたことが現実になった。我輩は、詩口写実のシャドウか……。

 我輩の口から、疲れたため息が出た。

 けれども、おかしなことに気づいた。

 これは、レイフォトだ。フォトリベしたら、シャドウが真実を喋るアレだ。


 父の残したものだからフォトリベしたくなかったが、意を決してフォトリベしていった。

 シャドウは人形のような父の上半身の姿を模していた。

 それが、笑顔で穏やかに喋り出す。


『①、写影子。お前は。消去(イレイス)!』


 例によって、シャドウは用が済んだら勝手に消えた。


『②、本物でオリジナルだ。消去(イレイス)!』


「えっ!? どういうこと!?」


『③、私たちの愛する娘よ。消去(イレイス)!』

『④、私たちがいなくても。消去(イレイス)!』


 我輩は、大泣きした。もう、両親に会えないのだろうか。

 辛かったが、もう一枚のレイフォトをフォトリベした。


『⑤、強く生きよ。消去(イレイス)!』


 我輩は、最後の一枚をフォトリベした。


『⑥、また会おう、写影子。消去(イレイス)!』


「えっ? また会おう? どういうこと?」


 これは、父の悪い冗談なのか? ぴたりと涙が止まった。

 そもそも、このレイフォトは手紙のようだ。

 父がレイフォトを作ったとでもいうのか。


「もしかして、お父さんとお母さんは無事……? じゃあ、オリジナルの父と母はどこかで生きているってこと……?」


 またなということは、再会できるかもしれないということだ。

 だんだんと元気が出てきた。涙をぬぐって立ち上がった。


「月野原ァ!」

「写影子~!」


 家の外から呼ぶ声がして、我輩は二階の自室の窓を開けた。

 門の前に、露世と鑑が立っていて、手を振っている。


「露世、鑑、どうしたの?」

「一緒に、メシ食べようぜェ」


 露世が買い物袋を持ち上げて笑った。

 我輩は、一人じゃなかった。我輩はにっこりと笑って、声を張り上げた。


「ちょっと待ってね! 今、鍵を開けるから!」


 そうして、我輩は露世と鑑を家に通して、夕飯を一緒に食べることになったのだった。

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