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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
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第九話 彼がデッドキスではない理由~回答編~

 鑑がびっくりしている。

「写影子、分かったってどういうこと?」

 露世も首をかしげている。

小使井網羅こづかいもうらがデッドキスではない理由か?」

「写影子ちゃん、説明してくれないかな?」

 連辞の言葉に我輩は頷いた。


「つまりね! 出席番号二十五番の詩口写実は、転校してきたってことでしょ? すると、転校してくる前は、出席番号の二十五番は他にいたってことでしょ?」


 露世がハッと我に返って、納得したように手をポンと打つ。


「そ、そうか!」

「何が? 僕にもわかるように説明して?」

 鑑は分からなくてイライラしているようだ。


「つまり、小使井網羅は転校してきたってことか?」

 しかし、連辞はかぶりを振った。

「違う。小使井網羅は転校してきてないようだ」

「待って? 小使井網羅が転校してきたんじゃないとしたら、他に転校してきた人がいるんじゃないの?」と、鑑。

 だが、連辞は首を横に振った。

「いや、転校してきた人はいない」


 我輩は、にやりと笑った。

「じゃあ、転校して行った人はいるんじゃないかな?」

 連辞が「えっ?」と顔を上げた。

「つまり、小使井網羅の前の列にいる出席番号の人物が、転校して行った。だから、小使井網羅の出席番号が十一番なのが、十番になった。そういうことじゃないかな?」


 だから、レイフォトにわずかな誤差が生まれた。稀に情報が古くなることがあるらしいが、このことじゃなかろうか。


 連辞が、慌ててスマホで四ツ葉の捜査員に連絡を入れている。

 そして、笑顔でスマホを切った。


「写影子ちゃん、当たりだ! でも、転校して行った人物は無実だったが」

 鑑がハッとしたように顔を上げた。

「ちょっと待って? レイフォトのシャドウはその人物のことを示すっていうから」

 我輩は頷いた。

「そういうことなのだ」

 露世も分かったようだ。手をポンとたたいた。

「このシャドウの姿を模している人物がデッドキスってことだな!」

「当たり!」

「つまり、小使井網羅の前の列の、このシャドウの姿を模した人物が犯人か!」

 連辞はすぐに写真を照合して、名前を照らし合わせた。

 連辞は、さっそく四ツ葉に連絡を入れていた。


「ああ、俺だ。デッドキスは青葉極見あおばきわみだ。即刻取り調べだ!」


 そのシャドウの人物はすぐに取り調べされたという。

 後日、その人物は複数の犯罪に関わっていた事が分かり、即刻、逮捕されたようだ。


「ちょ、ちょっと待ってくれッ! シャドウの答えを並べてみたんだが、ヤバくないか!?」

「ええ? 何々……?」

 鑑が脇から露世のタブレットのメモを読み上げる。

『①。青葉極見あおばきわみは』『②。デッドキス』『③。の、配下で』『④。詩口写実しぐちしゃみ』『⑤。は、誘拐された』!?」

 でも、詩口写実も転校してきたから……いや、シャドウが正解したからこの情報は合っているんだった。我輩たちはいっせいに連辞の方を振り返る。

「「「連辞!」」」

 連辞は、スマホで四ツ葉に連絡している。人差し指を立てて、黙るようにジェスチャーしている。

「ああ、俺だ! すぐに詩口写実を保護だ!」

「で、でも、まだ、⑥と⑦の光のポイントが見つかっていないのだけど……」

「早めに対処しておいた方がいいよ」

「ことがことだからなァ」

「う、うん。そうだね」

 我輩は、鑑と露世の言葉にうなずいた。

 しかし、時遅し。詩口写実は忽然と姿を消していた。

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