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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
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第七話 謎の男子高校生のレイフォトをフォトリベしよう!③

「エエト……」


 露世はタブレットを取り出して、入力したメモを読み上げた。


「『①。小使井網羅こづかいもうら』『⑤。は、誘拐された』が、今までの回答な!」

「結構物騒な内容だね。で、あれから何か進展はあった?」


 尋ねる我輩に、連辞は首を横に振って答えた。


「いや? 小使井網羅は、無事だよ。誘拐犯は現れる気配なしだ」

「ふーむ。このレイフォトがデマなのか?」


 我輩の問いに、連辞がかぶりを振った。


「それは違う。このレイフォトのシャドウは真実を語っている」


 そうなのか。流石、連辞はフォトリベ専門の警察の四ツ葉だ。専門のことに関しては詳しいようだ。

 鑑も得心したように、頷いた。


「それもそうだね。これが真実じゃなかったら、レイフォトを探す意味がない」

「な、なるほど~」


 それで、四ツ葉も光のポイントやレイフォトを血眼になって探しているのか。


「ちなみに、光のポイントは壊さない限り、一定期間あるらしいぞ」

「な、なんだって~!? それじゃあ、二回目も撮れるってこと?」

「ああ」


 き、気づかなかった。そう言えば、撮ってから光のポイントは消えてなかった。

 じゃあ、あんなに恐々とフォトリベしなくても良かったんだ。


「さあ、写影子ちゃん。特殊写真は何枚集まったかな?」

「二枚だよ」


 我輩は、特殊写真を二枚見せるように置いた。


「どれも、例の同じ高校生男子が写っているよ」

「じゃあ、写影子ちゃん。フォトリベしてみて?」

「分かった」


 我輩は、勢いよく一枚のレイフォトをフォトリベした。

 すると、男子高校生の上半身だけの蝋人形のようなシャドウが出来上がった。

 それが宙で浮いて、淡々と感情のない声で喋り始めた。


『③。の、配下で。消去(イレイス)!』


 そして、いつものように用が済んだら、そのシャドウは勝手に消滅した。


「消えたのだ」

「メモできたぜェ」

「じゃあ、一文字。読んでみて?」


「分かった。『①。小使井網羅こづかいもうら』『③。の、配下で』『⑤。は、誘拐された』?」


「いや、こうじゃないかな? 『①。小使井網羅【は】』『③。の、配下で』『⑤。は、誘拐された』じゃないかな」


「なるほどぉ。でも、何の配下なんだろう? そもそも配下って具体的に何なのだ?」

「手下・家来・部下という意味かな」と、鑑。

「うーん、なんか嫌な予感がするけど……写影子ちゃん、次もフォトリベしてみて?」

「分かった」


 我輩は、残りの一枚を勢いよくフォトリベしてみた。

 通例の、男子高校生の同じシャドウが出来上がる。

 感情のない声でそれは読み上げるように喋った。


『②。フォトリベを悪用している組織はな~んだ?』

「えっ……! で、デッドキス!?」

『大正解! 消去(イレイス)!』


「ちょ、ちょっと待ってよ!」

『①。小使井網羅【は】』『②。デッドキス』『③。の、配下で』『⑤。は、誘拐された』!?」

「小使井網羅は、デッドキスの配下!?」


 我輩が連辞を振り返ると、連辞が人差し指を立てて静かにするジェスチャーをした。そして、スマホで四ツ葉の捜査員に連絡していた。


「レイフォトの結果が出た。小使井網羅は、デッドキスの配下だ。連行して取り調べだ!」


 我輩は、ホッと安堵した。事件は未然に防いだわけだ。

 我輩は、レイフォトの示す意味が保護から逮捕に変わったことに驚いていた。


 しかし、翌日大変なことが分かった。

 この小使井網羅は白だったことが分かったのだ。

 つまり、小使井網羅はえん罪でデッドキスではなかったのだ。

 だが、レイフォトは、真実しか伝えないという。

 だとしたら、これはどういうわけなのか。

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