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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
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第六話 閑話休題・モテる二人は残念系!

 我輩たちは例によって、秘密の部活動のようにこっそりと集まっていた。今日は数ある中の自習室のうちの一つ、自習室Bに集合していた。

 いつものように、自習室の窓は閉め切っている。遮光カーテンを閉め、照明をつけた。

 段々と夏めいてきたので、エアコンの冷房を入れて涼んでいた。


「まだか。まだ、一文字と夜桜は来ないのか!」


 連辞は、長机に腕を乗せて椅子にだらしなく座っている。

 連辞がしびれを切らしたように、プリッツをポキポキと噛んでいる。

 なんでも、いつものポッキーのチョコは暑いので溶けるらしい。

 なので、夏場はプリッツらしい。


「我輩に言われても知らないのだ」


 冷房の前で目を細めて口を開けて座っていた。

 しばらく涼んでいた我輩だったが、ちょうどドアが開いて二人が入ってきた。

 一文字露世と夜桜鑑だ。


「遅くなってごめん、写影子」

「悪かったな、月野原」


 連辞がプリッツを勢いよく噛み切った。


「俺に謝罪はないのか」

「いや、女子たちに追いかけられてさァ」

「ラブレターの山を渡されたからね」


 我輩の頭に衝撃が落ちた。


「な、なんだって!?」


 我輩の、大好きな露世が! 女子の魔の手に!


「写影子、安心して。僕は写影子だけだから」

「いやいや、別に鑑は構わな――」

「面倒だったんだよね」

「ああ。だから、特殊写真をフォトリベしてシャドウを出して」

「ええっ!? 鑑と露世はシャドウに女子を襲わせたのか!?」


 ちょっと、それはドン引きかもしれな――。


「いや、シャドウにラブレターをビリビリに破かせてね」

「俺のシャドウで窓から吹き飛ばして、紙吹雪にしたんだァ」

「ええっ!? 露世まで!?」

「滅茶苦茶綺麗だったよ。夏の雪って感じで」

「きれいだなァって夜桜と笑っていたら、女子たちが大激怒でさァ」


 そりゃ怒るわ。


「追いかけられて、袋叩きになりそうだったよ。怖いね、女子って!」


 お、おいおい。この二人に普通の神経は通っているのか。


「ああ、うらやましい奴らだ……」

「おい、連辞」

「コラ、連辞」

「でも、面白かったなァ」


 連辞は羨望の目で露世と鑑を見ていたが、我輩は顎が外れそうなくらい口を開けていた。

 呆気に取られて放心している我輩に二人は目の前で手を振った。


「写影子?」

「月野原?」

「ハッ!?」


 いかんッ! 鑑は残念系だと思っていたが、露世も残念系だった!

 常々、露世は格好良いのになぜモテないのだろうと思っていたが、こういうカラクリがあったとは!

 半眼で露世と鑑を見ていたが、にっこりと笑みを返されてしまった。


「さあ、部活動始めようかァ」

「昨日はどこまでだったかな~」


 やる気満々な二人に、脱力して我輩は、今日までに集めたレイフォトを取り出したのだった。




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