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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
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第五話 謎の高校生男子のレイフォトをフォトリベしよう!②

 破れたレイフォトから、思念があふれ出す。

 そのもやは、入道雲のように固まって、最終的には蝋人形のような高校生男子の上半身をかたどる。それが宙に不自然に浮いている。


「また、この高校生男子のシャドウなのだ……」


 シャドウは構わず喋り出す。


『⑤。は、誘拐された』

「えっ!? 誘拐された!? 誘拐されたって何なの!?」


 我輩はパニックになっていた。


消去(イレイス)!』


 シャドウは答えもせずに、あっさりと自ら消滅した。


「えええええ! ちょっとぉ!」

「ちょっと待って写影子! 一文字!」

「あ、ああ。ええと、続けて読むと――『①。小使井網羅こづかいもうら』『⑤。は、誘拐された』ってオイ……」

「なんか、物騒だね……」

「ああ」


 露世と鑑が喋っている傍で、連辞がスマホで連絡していた。


「ああ、俺だ。フォトグラン学院高等部に、一年五組・出席番号十番の、小使井網羅こづかいもうらはいるか?」


 どうやら、四ツ葉に連絡したらしい。


「いる? 誘拐されてない?」

「よかった」

「ああ」


 すぐに居場所がわかるなんて、フォトグラン学院に連絡して確かめさせたのだろうか。

 それとも――。


「すぐに、小使井網羅を尾行しろ。狙われている可能性がある。犯人を見つけ次第捕らえて、小使井網羅を保護だ」


 連辞がスマホを切って、こちらに歩いてきた。

 とりあえず、小使井網羅は無事だ。我輩は、ホッと胸をなでおろした。


「連辞ィ」

「なんだ、一文字」

「まだ誘拐と決めつけるのは早いんじゃねェの?」

「ん?」

 露世の言葉に鑑は頷いた。

「そうだね。これは、①と⑤の番号だから、間に何か文字が隠されている可能性がある」

 連辞はポッキーを箱から取り出して、食べ始めた。

「でも、早めに手を打った方がいいだろ?」

「そうだね、連辞の言う通りなのだ……それでね!」


 我輩は、レイフォトを差し出した。


「これが、フォトリベした後から出てきたのだ」

「『△』のマークが入ったレイフォトだね」

「これも、後回しだなァ。二枚一度にフォトリベする可能性があるからな」


 我輩は、露世に髪の毛を手でかき回されて、「わわっ」と声を上げるのだった。


「しかし、みごとに暗礁に乗り上げたな……」


 連辞はポッキーを加えて、目を細めている。

 四ツ葉にいる大人のオリジナルの連辞は、きっとタバコを吸って至福の時の中にいるのだ。


「でも、水色のポイントを見つけてレイフォトに収めたら、これと同じレイフォトができると思う」

「よし、写影子、がんばってね」

「ええっ、我輩だけ!?」

「そりゃそうだよ、写影子ちゃん」

「月野原しか光のポイントは見えないんだからなァ」

「わ、分かった。我輩、頑張るのだ」


 でも、結構楽しくなってきた。

 誘拐なんて物騒な言葉が出てこなければ、もっと楽しかっただろうけれど。

 こっそりとしたフォトリベの部活動みたいだ。


 そうして、我輩は二日間かけて、水色の光のポイントを二つ見つけた。

 そして、レイフォトにしっかりと収めたのだった。

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