表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第三章◆+◆因縁のライバル出現!? フォトリベのシャドウで悩むので章◆+◆
31/86

第四話 謎の高校生男子のレイフォトをフォトリベしよう!

 翌日、我輩は露世と鑑そして連辞と自習室に来ていた。いつものように、人目を気にして窓は閉め切り、遮光カーテンを引いてある。そして、照明をつけていた。


 我輩は、レイフォトを長机の上に並べた。

 すると、連辞がそれを突っついた。

「さあ、二枚集まったけど、もう少し集めてみる? どうする?」


 我輩は、唸ってその一枚を手に取った。

「とりあえず、収穫はなかったのでフォトリベしてみるよ」


「オーケー、メモの用意はできたぜェ」

 露世は、いつものようにタブレットを準備していた。


「じゃあ、写影子。よろしく」

「分かった」


 作り物のような顔をした高校生ぐらいの男子の上半身が写った、レイフォト。

 それの両端を持った我輩は、勢いよくフォトリベした。

 すると、思念があふれてわだかまり、一つのシャドウを作り出した。


 その高校生ぐらいの男子のシャドウは機械音のように淡白に喋り出す。

『①~⑦の問い』


「①から⑦だって!」

「メモメモ!」


『①、フォトグラン学院高等部、一年五組、出席番号十番は、だ~れだ!』


「げっ、なぞなぞだよ!」

「高等部、一年五組、出席番号十番って、知るかァ!」

 露世はブチ切れながらメモを取っている。

「鑑なら、分かるかな?」

 情報マニアの鑑ならわかるはずだ。

 期待を持って尋ねる我輩に、鑑はフフッと笑った。

「出席番号十番って絶対野郎だよね。興味ないから。そう、写影子以外は眼中にないッ!」


『不正解、時間切れです。消去(イレイス)!』


 そのシャドウは勝手に消滅した。


「お、おい~! ギャグ言っている場合じゃないだろ!」

 我輩は涙目だ。

「大丈夫。しっかりメモしたぜェ」

「さすがは露世なのだ」


 我輩が露世とにこにこして、鑑が歯をギリィさせている横で、それまで黙っていた連辞が「ふーむ」とタブレットを見て唸った。


「高等部、一年五組、出席番号十番は、小使井網羅こづかいもうらだな」

「「「えええ~!?」」」


 思わず、我輩たちは連辞の座っている方に駆け寄った。

 そして、連辞のタブレットを覗き込む。しかしすぐに消した後だった。


「なんでわかったのだ?」

「ちょっと、フォトグラン学院のホームページにアクセスして調べた」

「そこまで頭が回るなんてすごいのだ!」

「さすがだなァ」

「腐っても四ツ葉だな」

「俺は腐ってない!」


 連辞たちが騒いでいる傍で、我輩は何か床に落ちていることに気づいた。


「アレ?」


 それは、フォトリベした後の破った写真とともに落ちていた。


「『☆』のレイフォトなのだ」


 それは、『☆』のマークの入ったレイフォトだった。

 鑑が横から我輩の手元を覗き込んでいる。


「それ、どうしたの?」

「いや、さっきフォトリベしたレイフォトから出てきたみたい」

「これも二枚一緒に破るのか?」


 露世は、この写真が飴ちゃんのシャドウの時と一緒だと思い込んでいるらしい。


「でもね、露世。このレイフォト一枚しかないよ?」

「じゃあ、また集めるのかもしれないから、フォトリベはやめておいた方が無難だな」

「一文字の言う通りだな。じゃあ、写影子ちゃん。次のレイフォトをフォトリベしてくれ?」

「うん、わかったのだ」


 上半身だけの蝋人形のような先ほどと同じ高校生ぐらいの男子の写った、レイフォトを長机の上から掬い上げた。

 そして、それを手に持って、勢い良くフォトリベした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ