表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第二章◆+◆行方不明の友達をフォトリベで救出できるかで章◆+◆
25/86

第十一話 窮鼠猫を噛む!?

 一時はたじろいだ我輩だったが、勝算がないわけではない。

 指を突き付けて、大声を張り上げた。


「飴ちゃんにひどいことするな! 飴ちゃんを返せ!」

「威勢のいいその様子だと、俺たちが誰だか知らないようだが?」

「全く知らないのだ」

「俺たちがデッドキスだと知ったらお前はどうする?」


 やはり、デッドキスなのか。

「こうするのだ!」


 我輩は、すぐさまロゼの特殊写真をフォトリベした。


「ほお、ちゃんとフォトリベできたようだな? お嬢ちゃん」

「我輩、フォトリベで蹴散らしてやるのだ。戦い方はあんまりわかってないけど」


 それを聞いた大人たちは大笑いした。


「馬鹿じゃねぇ? 何もしらないお前が、どんな思念を込めれるっていうんだ?」


 ロゼがふわりと瘴気をまとった。

 我輩を中心にしたまわりに、瘴気の波紋ができる。


「教えてやるのだ」


 馬鹿笑いしていた、大人たちの顔が引きつる。


「ロゼには大暴れするように言ったのだ!」


 ロゼは、真っ赤な目を開いた。バーサーカーのようになって、暴走し始めた。


「ぎゃあああああ! なんだ!?」

「そ、そうか! 暴走するように言えば、攻撃の仕方なんてどうでもいいってわけか!」


 そうだ。暴走するように念じれば、ロゼは技も使い放題だ。彼らには公言してないが、こっそりと飴ちゃんのことは傷つけないように念じてある。


「ロゼ、我輩を乗せて飛ぶのだ!」


 我輩を乗せてロゼは飛ぶ。我輩はロゼの背中からもう一人のロゼのシャドウを連写した。


「よし!」


 ロゼの特殊写真が五枚できた。それを一度に、フォトリベする。


「暴れろ!」


 すると、眼下ではロゼが大暴れし始めた。


「な、なんだ、このフォトリベ! ものすごい完璧に……ぐはぁ!?」


 その時、我輩は水色の光のポイントを見つけた。


「なんでこんなところに?」


 ともかく、我輩はレイフォトに収めた。


「何をやっている!」

「雷雨様!」

消去(イレイス)!」


 途端に、フォトリベは消滅した。


「うわっ!」


 上空に避難していた我輩も、ロゼが消えたせいで床にたたきつけられた。


「月野原さん!」


 飴ちゃんが駆け寄ってきた。

 く、くそぅ。そうだった。消去(イレイス)は盲点だった。

 どんなにフォトリベが強くても、消去(イレイス)されたら無になってしまう。


「……っ!」


 がくがくと立ち上がろうとする我輩に、飴ちゃんが駆け寄ってきた。


「月野原さん、ゴメン。俺のせいで……!」


 飴ちゃんが涙を流している。


「大丈夫、露世の特殊写真が……」

「お前がこんなものを持っているとはな。没収だ」


 雷雨と名乗った男が、我輩の露世の特殊写真を取り上げた。


「そ、そんな……ぐぅ……!」


 我輩は、もう、丸腰だ……。


「死んでもらおうか?」


 雷雨が本日刀を抜いた。

 本日刀の刃が鈍い光を放っている。

 こんなところで、我輩は終わってしまうのか?


 そうだ。もう一枚、レイフォトが……。

 みると、絵らしきものが浮かび上がっている。

 我輩は、渾身の力を込めて破った。

 我輩たちを守ってほしいと念を込めて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ