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フォトリベレーション~一寸のシャドウにも五分の魂~  作者: 幻想桃瑠
◆+◆第二章◆+◆行方不明の友達をフォトリベで救出できるかで章◆+◆
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第四話 飴ちゃんのレイフォトをフォトリベしよう!

「写影子ちゃん、何かな?」

 我輩は頷いて胸ポケットからレイフォトを取り出した。


「これ」


 我輩は、二枚のレイフォトを長机の上に置いた。

 露世と鑑は身を乗り出した。


「これは『二』と『四』の番号のレイフォト?」

「うん。今朝、これが撮れたから何だろうと思ったんだ」

「『五』と『二』と『四』のレイフォトか……」


 露世は顎を触って考え込んでいる。


 鑑はうなって考えていたが、手をポンと打った。

「じゃあ、最初の飴玉のレイフォトをフォトリベしてみたらどうかな?」

「良いね。じゃあ、写影子ちゃんフォトリベしてみてくれる?」

「うん、じゃあフォトリベしてみるね!」


 我輩は、張り切ってそれを手に持った。

 そして、勢い良くフォトリベする。

 すると思念が蟠って模られていく。それが形になったとき、やはりなと我輩は思った。


「これは、飴ちゃんのシャドウだね」


 鑑は頷いた。

「以前と同じだね」


 ということは、これは飴ちゃんの事を示しているわけだ。


 出来上がったシャドウは、飴玉媛理の姿を模していた。これも以前のシャドウと同じで、上半身だけの目がガラス玉のようなシャドウだった。その色付きの銅像のようなシャドウが宙に浮いているのだ。

 その飴ちゃんのシャドウは、無表情で喋り始めた。


『一。虹色の光のポイントにおける十枚のレイフォトを。消去(イレイス)!』


 例によって、飴ちゃんのシャドウは用が済んだらさっさと消えてしまった。

 露世がタブレットを取り出した。

「俺がメモしておくよ」

 そして、長机の上でメモし始めた。

 鑑が他のレイフォトを勧めてきた。

「じゃあ、もう一枚をフォトリベしてくれないかな?」

「そうだね。写影子ちゃん、次もフォトリベしてみて?」

「うん、分かった」

 我輩は次もフォトリベした。

 すると、先ほどと同様に、飴ちゃんのシャドウが出来上がった。

 また、飴ちゃんのシャドウは、恬として喋り出す。


『二。二枚まとめて一度にフォトリベしろ。消去(イレイス)!』


 そして、またしてもシャドウは用が済んだとばかりに消滅した。

 鑑が露世のタブレットをつついた。

「一文字」

「はいはい、メモメモと……」

 露世はすらすらとタブレットに入力していく。

「露世できた?」

 我輩は、露世のタブレットを覗き込んだ。

「ああ、できたよ。ほら」

 露世は、我輩にタブレットを寄越した。

 鑑は笑顔だ。

「一文字、ご苦労様」

「一文字君、ありがとう。写影子ちゃん、読んでみてくれないかな?」

「うん」

 我輩は、露世のタブレットを手に持って読み上げた。


「『一。虹色の光のポイントにおける十枚のレイフォトを』『二。二枚まとめて一度にフォトリベしろ』だって!」


 露世は意図する事が分からないらしく、ひとり顎を触りながら唸っている。

「うーむ、二枚まとめて一度にフォトリベ……?」

 鑑も判断しかねて、目をぱちくりさせている。

「えっ? 二枚まとめてフォトリベってできるの?」

 我輩はうなった。

「やっぱりできるんじゃないのかな? 確信は持てないけど」

「それは分かるんだが、虹色の光のポイントというところが不明だなァ」


 連辞に続き露世と鑑も考え込んでいる。けれども、我輩の見解は明瞭だった。


「我輩は知っているよ!」


 いきなり手を挙げた我輩に、三人は驚いた顔を向けていた。

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