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7話 購入当日 家電販売店にて (2)

「続いてカウンセリングを行います。先ほどと同様にこちらから幾つか質問をしますのでそれについて色々と連想してください。」

「では、始めます。」


 先ほどの適性検査同様に優しげで暖かな声が僕を包み込んでいる。


「貴方はどんな青春を送りたいですか?」


 僕は高校に通いながら、自分のガイノイドとの共同生活を始める。

僕が高校で学業に精を出す傍ら、彼女は外で仕事をする。

僕が学業を終え帰るころ彼女も仕事を終えるんだ。

僕達は商業区で待ち合わせて、二人で夕食の買い物をする。

買い物を終えたら夕食の支度だ。

と言っても調理場に僕が居ても邪魔になるだけ。

僕は彼女が夕飯を作る傍ら風呂掃除をし、余った時間で今日の復習を始める。

一通り復習を終えた頃彼女に呼ばれて二人で夕食を食べるのだ。

今日は学校でこんなことが有ったとか仕事でこんな出来事がとかの話をしながら。

そしてそれが終われば「予習」の時間だ。

二人で夕飯の片づけをしながらさりげなくスキンシップを重ね、ゆっくりと気持ちを昂ぶらせる。

お風呂に入るのはもちろん二人でそしてその後いやその最中にも……。


「よく解りました。次は貴方の趣味についてお聞かせください。」


 趣味。

スポーツは何でも好きだ。

ただバイトに時間を費やしていたのも有ってこれと言って打ち込んだ物は無い。

後は読書だろうか。

電子図書館にアーカイブされた書物を読むのは僕の日課と言ってもいい。

通学通勤の空き時間や、仕事終りのちょっとした時間に読むにはうってつけだ。

まぁ予算と時間の関係で他に主だった活動ができないというのが一番の要因なんだけども。

それでも昔の小説や実用書なんかを読むのは楽しいし、今後の参考になる物も少なく無い。


「よく解りました。貴方は将来どんな仕事に就きたいですか?」


 将来の仕事。

運輸系企業に就職し、その後独立と言うのが僕の考えだ。

アンドロイド以外では航宙機のライセンス持ちはまだまだ少ない。

それにアンドロイドのライセンサーは所有者から離れての長時間行動に難があるから大企業化が難しい。

何より今の戦争はあと五年から十年で終結するという見通しが政府発表で出ている。

今でもコロニーの建設・修復ラッシュは続いているが戦後はその傾向がさらに強くなるはずだ。

そして建設・修復作業は既に大手企業とその下請けの構造が構築されている。

しかし航宙輸送はその独特の状況も有って群雄割拠の状況だ。

つまり建設作業自体は行う会社が決まっているけど、その作業を行う人員や資材を搬入する業者はこれから生まれてくる状況って事。

それまでにノウハウを身に着け、ガイノイドと共に独立し一国一城の主となるのが僕の夢だ。


「よく解りました。それでは―――――」


 その後も質問は続き僕はその質問に対し応えて行った。

中にはキワドイ質問もあったけれど最初にキワドイ回答をしたのは僕なので正直しょうがないかなとも思っている。


「よく解りました。以上で質問は終わりです。」

「貴方に最も合うAIを探すまで少々お時間をいただきます。お先にガイノイドボディの購入手続きを済ませてから再度VRコーナーにいらしてください。」

「それではまた後ほどお会いしましょう。」


 暖かな声に送り出され僕は目をさました。

さぁ今度はガイノイドのボディ選びだ。

僕はPODから出るとガイノイド売り場へと歩みを進めた。

お付き合いいただきありがとうございます。

評価ブックマーク感想等頂けると幸いです。

次回投稿は4/24(日)午前八時を予定しています。

同時連載中の「蠱毒の転生者 ~孤立無援の異世界で俺はモンスター転生を繰り返す~ ※旧題コドクの転生者  〃平穏と人型を目指して〃」も合わせてお楽しみいただけると幸いです。

http://ncode.syosetu.com/n4580db/

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