最後の被洗脳者
「どうしてこんなことに……」
ある男は東京の空を見上げてそう言った。男の名は屋島龍太郎、名も無き一般市民である。20××年、矢部総理の政権が民衆党によってとって変わられた。いや、マスコミの偏向報道によって矢部が退陣させられたと言ってもいい、浅尾政権の時と同じであった。鳩田総理は自衛隊を大幅に縮小して警察の公安を解散、憲法9条をノーベル平和賞に受賞させた。アメリカは完全に堕ちた大国となり果ててしまい在日米軍の規模も縮小された。遂には日本を守る兵力は陸上兵力が普通科のみの約2万人、海上兵力は無し、航空兵力も無しといった自衛隊戦力と在日米軍の海空軍のみとなってしまった。それに対して中華人民共産国、通称中共国は陸海軍の戦力を大幅に増強して中米友好不可侵条約を締結した。この条約は表向きは対テロの為に互いに対しての軍事行動は取らないというものだったが裏では日本侵攻の際に在日米軍に手出しさせない為の条約とまで言われた。にも関わらず日本のマスコミはこの条約をスルー、ネットでは話題になったが9条信奉者の方々がこれでアジアに戦争は起きないとほざいていたせいで多くの国民が誤解をしていた。数少ない良識ある市民、そして知識人が警鐘を鳴らし自衛隊増強を訴えたが彼等に対し9条信奉者と左翼は「右翼」、「軍国主義者」、「日本のナチス」とレッテル貼りをしてその意見を封殺してしまった。しまいには矢部元総理や自衛隊増強論者の顔写真に「死の元総理」や「日本のナチス」と書いて道行く小学生にそれを叩かせるおばさん達まで出てきた始末であり残った自衛官に対しても「戦争屋」と呼ばわった。それでも自衛隊の方々は災害の際に国民の為に尽力した。だがやはりマスコミは自衛隊の活躍をスルーした。更に日本教師連盟、通称日教連の教諭達は自衛隊の子供を教諭自らいじめるという許されざる行為を行ったがやはりマスコミはスルーした。レッテルを貼られながらも国の為と頑張っていた市民や知識人はこの問題を取り上げたがそれすらも「教諭に刃向かうクレーマー」として処理されてしまった。そして教育現場を牛耳った日教連は公式行事での「君が代」の斉唱、「日章旗」の掲揚を禁止してしまった。日本の中高生が海外に留学した祭には国家を知らないと異常な国に思われる事もありそれも良識ある方々が「世界的に見ても異常だ」と言ったがこれも「日本は日本、世界は世界」といって封じられてしまった。この時9条信奉者や日教連、マスコミが普段言っていた「グローバルスタンダード」は都合が悪くなると「日本は日本、世界は世界」という正反対の言葉に変わってしまうというおかしな状態にある彼等に脳内お花畑な国民もようやく気がつき始めたが時すでに遅し、尖閣諸島を中共国が実効支配、民衆党政府は対した手も打てずにいた。続けて中共国のスパイであった沖縄県の尾長知事が沖縄の日本からの独立を宣言した。在日米軍は沖縄から引き上げていたため沖縄の経済力は全国最低レベルまで落ち込んでいて日本から離れても対した事はないと民衆党は説明したが沖縄がその直後に中共国へ編入される。その翌日に民衆党が受け入れを増やした中共国からの留学生という名の工作員が東京においてテロを行い武装蜂起した。中共国も日本に宣戦布告し、アメリカとは中米友好不可侵条約を盾に戦争しないと宣言、軽歩兵としての装備しかない自衛隊は最新の99式戦車を先頭に上空はSu35に守られた民衆解放軍に対して退却に退却を重ねて遂には東京にまで追い込まれてしまった。民衆党政府と9条信奉者は無条件降伏を打診して戦争はおわったかに見えたが中共国が出した条件が「皇族を全員処刑」、「日本を中国領に編入」の二つであった為日本市民がそれを拒否、関東以北においてゲリラ戦を展開し、皇族をイギリス王室の元へと亡命させた
屋島は男を虐殺し、女をレイプして回る中共国の兵士によって近所の男達と共に並べられた。
「なんで、なんで9条があったのに戦争なんて起きたんだ、9条は絶対に戦争が起きない、9条に逆らえば戦争賛成派、9条は平和憲法じゃなかったのかよクソ野郎!!!!」
浴びせられる機関銃弾を前にしてようやく自分が9条信奉者やマスコミに洗脳されていた脳内お花畑であるということに気がつき後悔したが後悔先に立たず、彼は血の海の中に倒れ込んだ。