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Graphina 4
理解をしたと同時に襲ってくる感情の波。
ぷちん。
「………っ……きゃああああああああああっ!!!!!」
甲高い声、誰の声だろう。
自分の声なのに、どこか遠くで聞こえた様な気がした。
口を大きく開き、今までに感じた事のない衝撃に心を揺さぶられ、有らん限りの声を上げる。
叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
訳が分からない。
嫌だ。
何が起こったんだ。
何で。
胸という小さな容器に災害レベルの嵐。
意識を手放したかった。
だけど、私には許されなかった。
「…何…あれ…」
あかねが最後にいた場所にそれはいた。
それは真っ黒だった。
光を全く通さない暗闇。
夕陽があるはずなのにその部分だけは、暗黒が支配していた。
おどろどろしい雰囲気を醸し出すそれは、鎌首を持ち上げのそりと此方を見る。
果たしてそれは生物と呼称して良いのか。
ただ、その存在が異質であり、その異質は私を見つめているというのが分かった。