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Graphina  作者: Missionary
目覚め
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2

「そーうーこーーーっ!!!!」


通学路の途中で、後ろから声をかけられた。

横断歩道を渡り、この道を真っ直ぐ進めば、学校につけるという地点だ。

いつも彼女には、ここで声をかけられる。

言わば彼女との合流地点だ。


「あかね、おはよう」


私は後ろから走ってきた見知った人物に返事をする。


「倉庫さん。オハヨウゴザイマス」


彼女の名前は、神崎あかね。

私の友人だ。でも、一番心を許せる人間だから、私の親友ってことになるのかな。

とにかく、彼女との仲はとても良いはずだ。


「倉庫さん倉庫さん。本日もお美しゅうごじゃりますな〜」


「そんなそんな〜。あかねさんほどじゃありませんよ〜」


「またまたご謙遜を〜」


あかねはいつもこのような感じだ。

…ふざけている。

そして、私も彼女といるときは、ふざけている。

いや、彼女といるときだけは、ふざけることが出来るのだ。

彼女はとても親しみやすい。


「…あかね。また倉庫って言ってない?」


「……やっぱりばれてたか」


「そりゃ何度も言ってれば」


もちろん私は倉庫ではない。私には名前は白沢葬子という名前があるのだ。名前が、倉庫と同じ音なので、あかねにはよく倉庫倉庫と呼ばれからかわれるのだ。


「いっそ倉庫に改名するとか?白沢倉庫…なんかありそう」


「もーー!!あかねー!!!」


「あははっごめんごめん」


こうして彼女と過ごすと時を忘れ、いつの間にか周りの景色が、通学路から教室へと変わっていたりする。


けれども彼女と過ごす楽しい登下校の時間も、これが最後になるとは、この頃の私は、夢にも思っていなかった。

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