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Graphina 1
その日は朝から違和感を感じていた。
何故だかはわからない。
だが、何か自分にはいつもと違う変化が起きている気は朝からしてはいたのだ。
ジリリリと、目覚ましがなる。
私は起きる。
そして、いつものように顔を洗いに洗面所へ。
顔を洗い。鏡を見ると、一瞬だが、自分が化け物のようだった。
目が真っ赤に充血しているではないか。
目を痛めたわけでもないのに、私の両目はトマトのように、真っ赤に充血していたのだ。
「きゃああ!」
普段ならあげないような高さの声を上げる。
要するに、悲鳴だ。
しかし、辺りは反応がない。
普通の家庭なら、びっくりして、誰かが反応してくれるかもしれない、が私はそうならないのだ。
今この家にいるのは、私だけ。
誰かかまってくれたって良いじゃない。
しかし、思ったところで状況が変わる訳じゃない。
はあ、とため息をつく。
いや、家族がいないわけではないのだ。
父も母も健在だ。
しかし、仕事の都合上二人とも、なかなか家に帰ってこないため、私はほとんど一人なのだ。
ふぅと深呼吸をして、もう一度鏡を見る。
私は、気分を入れ替えてもう一度鏡を見る。
しかし、そこに先ほどの化け物はいなかった。
「なんだ気のせいか。良かったあ」
安心した私は、一人の朝食をするため、洗面所を離れ台所へと向かった。
先ほどの出来事で気が動転していた私は、少し注意力が足りなかったのかもしれない。
そこまでなかったはずの私の髪の毛が少し長くなっていたのだが、私は異常に気づかずに過ごしてしまうことになる。