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ウツロヤミ  作者: ミーン
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シャンプーの時


最近、お風呂でシャンプーすると、抜ける髪の毛が多くなった。



排水口が髪の毛だらけになってしまうのは、ちょっと異様だ。




だけど、まだわたし中学生だから抜け毛なんて早すぎる。




友だちに聞いても「気のせいよ」と、まともに取り合ってくれない。



まあ、もしわたしが友だちから「最近、抜け毛が多い気がする」と言われても、同じ反応だろうけど。



それに、朝ベッドで起きた時も髪の毛がいっぱい落ちてるわけでもないし。





だけど、なにか悪い病気じゃないか心配になって病院で検査してもらったけど、どこも悪くなかったのはホッとした。





それでも毎日毎日、シャンプーすると髪の毛がごっそりと抜ける。



どうしてかなあ?







ある日、普段はシャンプーのとき目を閉じてるのを、うっすら開けて見ると、正面の水蒸気で曇った鏡にわたしが映ってる。




わたしが・・・映ってる?


わたしが・・・二人



全身が総毛立って、お風呂場から飛び出した。




鏡に映っていたのは、座ってるわたしの後ろから長い髪をたらしてのぞき込んでる女の人だった。





抜けていたのは、わたしの髪じゃなかったんだ。




両親は信じてくれなかったけど、わたしがあまりに怖がるから一応お風呂場をお祓いをしてくれたけど、それでもあの恐怖は忘れられない。




今でもシャンプーする時は背中を壁にあてて、目を開けたままでしかできない。



それでも、いつも背後に誰かいる気配がするのは気のせいなんだろうか?






昨日、友だちから「最近シャンプーするとずいぶん髪の毛が抜けてる気がするんだけど」と聞かれた。




だけど「気のせいよ」としか言えなかった。



ふと教室のすみを見ると、以前わたしが同じことを相談した友だちが、あわてて目をそらしたのは気づかなかったことにしておこう。




「あんたのところに行ったんなら、わたしやっと安心してシャンプーできる」何てこと、言えるはずないんだから。



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