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ウツロヤミ  作者: ミーン
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金縛り


ある晩のこと、夜中にふと目が覚めたら体が動かない。



「あっ、金縛りだ!」



そう思って、体のどこかを動かしてなんとか解こうともがいてると、胸の上にうちの猫が乗っていた。



「おまえかよ!」


と、ツッコミをいれると、猫は胸から飛び退いて部屋のすみに走っていった。




そのとたん動けるようになったので、逃げていった猫を呼んでから、そう言えば、うちは猫なんて一度も飼ったことなかったことを思い出した。



怖いなんて気持ちは全然なくて、なぜか懐かしくて悲しくて涙がポロポロ出てきて止まらなくなった。



どうしてそんな気持ちになったのか、いまだによく判らない。



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