第七話 遠足の日
この学校には5月のはじめに遠足がある。そこに近づくとその話ばっかりである。誰と班を組むか、どこにいくのか――そんな話題でクラスは大いに盛り上がっている。
誇ることではないが僕はもちろんまだ誰にも誘われていない。知らない人たちと班を組むとは、至難の技であり、3人から5人という人数の振れ幅があることで余りを出すことも可能である。班を決める日が近づく中で、みんなの前で先生が「二条をどっか入れてあげてー。」となるのだけは避けたい。
すると僕の机に2つの影が見えた。顔を上げるとそこには、愛川と桃山がいた。僕はなんとなく嫌な予感がした。
「うちらで3人班作らない?」
と桃山が言って、愛川もそれに頷いた。
「僕なんかが……入っていいのか……?」
「いいよ!私も二条くんと仲良くなりたいし。」
と愛川が言った。僕は本当に入っていいのか戸惑い、返事に悩んだがここで入らないと残念な結果になることは予想できたので、
「よろしくお願いします。」
そう言うと二人は顔を合わせて、笑った。僕もそれを見て少し口角が上がった。
遠足当日。僕たちは動物園に行って、その後町を散策した。二人の後ろについていく感じで最低限、話を振られたら返すくらいだった。特に問題が起こることもなく、順調に遠足が終わると思っていた。日も落ちてきて駅前の集合場所に戻っていた時。一人の男子小学生が座り込んで泣いているのを見た。少し道からそれたところだったので前を歩いていた二人は気づいていなかった。僕は悩んだ。助けに行くべきか、班に迷惑をかけないためにも二人に着いていくのか。そんなことを考えていると二人はどんどん遠くなっていく。
「決めないと。」
もう、迷ってる時間は無かった。




