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第二十一話 家族の分かれ道

「ただいま……」

 そう言ってドアを開けるとそこには父さんがいた。

「……父さん……なんで……?」

「いてもいいだろ、実家だからな。そんなことより、海行ってたのか。ばあさんから聞いたよ、楽しそうで何よりだ。」

 僕は、誰と行っていたか、ばぁちゃんが言ってしまったのかと思ったがバレていないようだった。

「あー、もう僕も高校生だからな。」

「勉強もちゃんとしろよ。」

 そう言ってここに来た理由は聞けず、誤魔化された。


 僕は部屋で荷物を片付けて、その後、風呂に入った。

「父さん……なんで急に来たんだろう?」

 僕は確実に何かあると思ったが予想がつかなかった。疲れた僕には今、一番会いたくなかった人だったのかもしれないと思った……。風呂から上がり、部屋に戻るとすぐにベッドに飛び込んだ、僕はあの時のことを思い出した。それは、小学2年の秋だった。



「ゆう?お話があるの。来て。」

 そう母さんに言われてリビングに行くと机に母さんと父さん、一個下の妹、彩葉と3歳になってばかりの弟、悠心もいた。

「話って?」

 そう僕が切り出すと父さんが言った。

「実は、母さんと父さん離れ離れになるんだ。」

 僕は、呆然とした。それはつまり離婚ということか。小学2年だったがすぐに理解したと同時に裏切られた気分だった。何の相談もなくはっきりと言われて、僕は「もう決まったことなんだ」と思った。

「分かった。で、僕はどうなるの?」

 僕はそう聞いた。すると父さんは、そんな言葉が返ってくると思っていなかったのか一瞬、驚いていた。

「悠心は母さんと一緒にこの家に残る。そして父さんは、彩葉と一緒に引っ越す。あとは、悠太。お前がどっちについていくか……それは、お前が選べ。」

 父さんの言葉を聞いたとき僕は、突き放された気がした。父さんは、選択肢をくれたのかもしれない。でも僕には、それが縛りのようで苦しかった。

「選べって……そんなの選べるわけないだろ……」

 部屋で一人でずっと考えていた。期限は春までだった……。離婚せず、みんなで離ればなれにならない方法はないのか僕はそう思っていた。しかし、聞くこともできず時間だけが過ぎていった。


 ある日、妹の彩葉に聞いた。

「彩葉は父さんになぜついていくんだ?」

「お父さん、いつも仕事忙しいでしょ。家にいないときも多いし、だから私がお母さんの代わりになれたらなってそう思ったの。」

「でも悠心の面倒を見たほうがいいのでは?」

「あーお母さん……よく分からないけど、ずっと悠心だけ気にしてるの。」

 その時、僕は思った。

「じゃあ……最初から、僕は選ばれてなかったのか……」

「でもお母さん、悠太は一番大切な私の息子って言ってたよ。」

 それを聞いたとき僕は、余計に悩んだ。何が正解で何がいいのか、誰を頼ればいいか分からなかった。


 そして、春になり決断の日がやって来た。

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