第十五話 言えなかったこと
※本日はもう一話、20時に投稿予定です。
テストも終わり、祖母も無事に退院した。
「ただいま。」
「おかえり。」
「バイト行ってくるね。」
そう言ってすぐに家を出た。今日から夏休み、町の雰囲気からも夏を感じていた。本屋でも夏のセールが始まり、僕も高校生活初めて夏、ワクワクしていた。いつも通りバイトをしていると、
「お会計、3点で2630円です。ありがとうございました……ってえぇぇぇーー?」
なんで?店に二人が?やばいバレないようにしないと。やばいレジに来た!?
「お、お、お会計、2点で1800円です。」
やばい!声変えてるけどなんか怪しまれてない??
「店員さん、大丈夫ですか?ずっと下向いてますけど……」
「はい。2000円お預かりします。200円のお返し……」
「え?」
やばいバレたか?
「300円なんですけど……」
「すいません、すいません。」
「ってゆうくんじゃん?!」
「ほんとだ。りっちゃんよく気づいたね!?」
「まぁ……ね。」
バレちまったー。なんて言おうか早く説明しないと。
「ありがとう。バイト頑張ってねー。」
はぁ。なんとかなったか。
「ゆうくん。後でちゃんと説明してね。」
「あ……はい。」
ひまりはなんとかなってもりおは無理か。やべーなんて説明しよう。てか二人なんの本買ってたっけ見てなかったな。その後のバイトの時間はあっという間だった。
バイトが終わり、二人と話すため近くのファミレスに行った。
「で、いつからバイトしてたのよ?」
「それは……」
二人の顔を見ると言わざるを得なかった。
「傘を返しに来てくれただろ。その時には、バイト始めようとしてたんだよ。」
ひまりは驚いた顔をしていたがりおはあまり驚く素振りを見せなかった。
「おばあさんのことでしょ。」
りおがそう言うと逆に僕が驚いた。
「なんで……」
「なんとなく分かるでしょ。理由もなしにひまりと喧嘩しないし、私に困ってる感じ出してたし。」
「バレてたのか……実はな、ばぁちゃんが倒れて入院してたんだ。いまは元気だし大丈夫。だけどこれ以上、ばぁちゃんに負担をかけるわけにはいかないだろ?だからバイトを始めたんだ。」
ひまりは悲しそうな顔で言った。
「私に頼ってくれなかったのはなんで?あのとき、ちゃんと理由を言ってくれたら良かったのに……」
「ひまり。ひまりは、真っ直ぐで優しいから重く考えちゃうだろ、だから言えなかったんだ。全部背負おうとしちゃうだろうから……」
「ばか……重く考えたらだめなの?」
僕はその時思った。人の強さから勝手に人の弱さを推測して勝手に自分が納得いくことをした。ほんとになんて弱いんだ。重い空気の中、りおが言った。
「ゆうくん、二人を頼ってねって前に言ったでしょ。また、迷惑かけたからここの分奢ってね?」
「なんでだよ……」
「ひまりもそう思うよね?」
「そうだよ。てか、私も頼ってよー」
「僕のバイト代がぁ……」




