第十二話 一輪の花
更新が遅れてしまいすいません。第十二話です!
あの日から二人との距離は学校でも近くなったが僕は考えることが多くて構ってる余裕がなかった。学校が終わるとひまりさんがいつも話しかけてくる。
「ゆうくん今日は一緒に帰らない?」
「今日はごめん。用事がある。」
「ゆうくん毎日用事あるの?」
「まあそんなとこかな。」
そう言うと僕の手を掴んで言った。
「なんで?避けてるの?」
と言われて僕は少しムカついた。ひまりさんに何が分かるのか考えれば考えるほど腹が立った。腕を振りはらい帰ろうとしたとき、りおさんも来た。
「今日も用事?まあ忙しいのよね。」
頷いて僕は帰った。帰り際のひまりさんの顔は、今まで見たことのないくらい悲しそうで弱かった。帰ると今日もバイトの面接に行く。これで5回目だ。そろそろ受かるだろうと思っていたがまた落ちた。正直もう受けるメンタルはなかったが帰り道、本屋にバイト募集中の張り紙が貼ってあり、持っていた履歴書を片手に訪ねた。
後日、本屋のバイトに受かった。嬉しくてこのことを二人に言おうとしたが、ひまりさんとはあの言い合い以降、すこし距離ができていた。りおさんは寄り添ってくれてなんどか家に訪ねて家事を手伝ってくれていた。手伝ってくれるのは嬉しかったがなにか物足りなかった。
「今日も手伝いにきたよ。」
「ありがとう。」
「なにかすることある?」
「今日は庭の掃除かな。」
「わかった。やるね。」
「あとでいく。」
そう言って洗濯を終わらせて庭に向かうと、りおさんが一輪の黄色い花を見て独り言を言っていた。
「この花、あの子に似合いそうだなあ。今のひまりに必要なのは、こういう鮮やかさかもね……」
僕はこれを聞いてはっとした。最近、ひまりさんは前のような心の底からの笑顔が減っていると思っていたがそれはりおさんから見ても同じだったのかと共感した。一方でそれは僕のせいじゃないかとも思った。
「りおさん……ごめんなさい。」
りおさんは不思議そうな顔で僕を見た。
「僕があんなことを言ったせいでひまりさんが……」
「よくあることなの。ひまりはなんでも自信満々にやるし、自分が正しいと思ったことを真っすぐやる子なの。だからゆうくんのせいじゃないわ。」
「僕は友達が少ないし、女子の友達とかいないから関わり方が分からなくて……傷つけてしまったと思ってる……」
そんなことを涙目になりながら言うとりおさんは僕の手を握って言った、
「ひまりはそんな弱い子じゃない。私を信じて。またみんなで遊ぼう。」
僕は涙がでてきて、庭の洗濯竿から取り忘れていた、自分の服で涙を拭いた。
「絶対にな。」
そう言って庭の掃除を続けたがしばらく二人の間に会話はなかった。




