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第十一話 僕にできること

ドアを開けてもおかえりという祖母の声がなく寝ているのかと思っていた。リビングに入るとそこには祖母が倒れていた。僕は頭が真っ白になった。


 次に意識がはっきりしたときには、病室だった。そのあと、僕は救急車を呼び、祖母はこの病院に運ばれたらしい。

「ばぁちゃん……だめだよ……」

 心の底からその言葉が出た。受け入れたくなく涙がこぼれていた。すると祖母は僕の涙を手で拭いて言った。

 「大丈夫だよ。あんたは、できる子なんだから……」

 と言った。その日は祖母と一緒に病室で夜を過ごした。


 次の日には祖母はだいぶ元気になっていたが身体はボロボロらしく一ヶ月ほど入院することになった。祖母に家を任され、一人で暮らすことになった。その日から、学校ではずっとぼーっとしていた。

「大丈夫だよ。あんたは、できる子なんだから……」

 祖母の言葉が何度も脳内でリピートされる。僕は決めた。やるんだ。家事も勉強も、そして祖母の助けになるように働くと――


 料理を始めることにして、コンロに火をつけようとした時、ドアベルの音がした。

「誰だろう……?」

 そういって、ドアを開けるとそこには愛川と桃山がいた。そうか傘を返しに来たんだと思った。

「はいこれ傘。ありがとう。てことでおじゃまするね。」

「え?入るの?」

 変な声が出た。桃山は戸惑っていたが愛川は戸惑いなく家に上がっていった。

「二条くん傘のお返しだけど……これ。みんなで食べよ。」

 そういって愛川はたくさんのお菓子を出した。ふと思い出したような顔で愛川が言う。

「今日はおばあさん、いないの?」

「……うん」

 不意を突かれた質問に少し間があったが特に疑問は持たれなかったようだ。

「ゲームでもするか?」

「しよう!」

 桃山がそう言って、三人でゲームを1時間くらい楽しんだ。二人とも上手くはないけれど楽しそうで、僕もこんな子達とまた遊びたいなぁと見てると二人が見返してきた。

「なによ?ずっとみて。」

 桃山がそう言うと愛川も

「なになに?」

 と近づいてきた。

「楽しそうだなって思って。こんな子達と友達になれたらなあって。」

 正直に言うと二人とも顔を少しそらした。

「うちら友達でしょ。」

 と桃山が言った。愛川もそれに便乗してうなづいた。僕はこの二人がそんな風に思っていたとは意外で嬉しい反面、驚いていると、

「確かに友達なのに二条くんとかちょっと堅苦しいか。」

 と愛川が言った。僕はそんなこと言ってないがと思いつつ陽の人には大切なことなのかなと思った。

「じゃあこれからはゆうくんとかどう……?」

「いいね!うちらしかそうやって呼ばなそうだし。」

 愛川が言ったことに桃山が乗った。僕の名前覚えてくれていたことがとてもうれしかった。なんて返すか悩んだが僕にできることを考えて言った。

「じゃあ……ひまりさん……りおさん……それでこれからよろしくお願いします。僕は夜ご飯の支度をするので二人はお気になさらず。」

 僕は恥ずかしくて理由をつけてその場から離れた。二人は手を合わせて嬉しそうだった。二人の顔は、少しだけ赤くなっているように見えた。

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