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第十話 梅雨の帰路

梅雨の時期になり、最近は雨の日が続いている。僕は二人と連絡先を交換したものの、特にしゃべることもなく、遠足の日に帰ってから二人に謝罪の連絡を入れただけだ。


 昼休み、多田が僕のところに来た。

「今日は何の日か分かるよな?」

 分かるもちろん分かる。今日は6月13日、多田の誕生日だ。僕は多田がこうやって来ることを想定していた。

「はい。誕生日おめでとう。」

 と言って、ヘアバンドを渡した。多田の髪はとても短く野球部に間違われることも多くあるがバスケ部である。かっこいいからという理由で部活の時、ヘアバンドをつけていることを知っているからプレゼントにした。

「センスあんじゃん」

 と多田が褒めてくれて嬉しかった。

「夏休み、誕生日パーティしような」

 そう言って教室を出ていった。教室の時計を見ようとすると愛川と桃山と目が合ったが気まずくて、すぐに目をそらした。窓の外を見ると晴れ間が見えて空に虹がかかっていた。


 雨も止んで帰ろうとしたその時だった、また雨が降ってきたのだ。しかも、地面に強く打ちつけるような雨だった。流石に今は帰れないと思って、教室に引き返した。僕が教室に入ると愛川の姿がそこにはあった。気まずくて、入ってすぐのところに座ってスマホをいじりだした。

「なにを見てるの?」

 いつの間にか愛川が僕の目の前にいてそう問いかけた。

「漫画読んでるんだよ。なんで愛川さんは教室にのこってるの?」

「傘忘れちゃって……」

「はい」

 と言って傘をすぐに手渡した。

「でも……いいの?」

「弱くなるまで漫画読むから大丈夫。また今度返してくれたらいいから。早く行け……」

 追い返すように愛川を帰らせた。その後、雨が弱くなった。帰り道、僕は傘を貸した時の自分を思い返して恥ずかしくなった。気づいたら家に着いていた。家のドアを開けると受け入れがたい現実が待っていた。

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