バス停と後悔
ねえアオ、私今日家出てく」
「………そっか、じゃあさよならだね」
「そうだね」
此処で俺も連れてって、なんて言えたらなぁ 拳をギュッと握りしめ、蓋をする
「双子だけど、別れるなんて悲しいね」
「…ねえ、俺も」
「ん?」
「あ、いや…俺も家出したから、これでお相子な」
「何それ、まあ…大好きな片割れに感謝の言葉を述べるくらいはしようかな」
「えぇ〜、急に何だよ」
「アオのお陰で気持ちの整理ついた、だからアオは運命に携わった人だよ、本当にありがとう」
…そんな運命にしたくなかったよ
「じゃあ、さよなら」
もうこれでセイには会えない… せめて笑ってサヨナラしよう
きっとセイは今でも怯えてる
「うん、サヨナラ」 ____
「もう後戻り出来ない…」
バス停でぼんやりと呟く
かじかんだ手を白い息で温めながら、さっきのことを思い出す
アオ、笑ってサヨナラって言ってたな…
《ご乗車下さい》
その言葉が本当にこれでいいのか?と言われているような気がした
でももう、後戻りなんて出来ないよ
パスモをタッチして一番後ろの席にもたれかかる
学校や駅と真反対のバスなので乗客は誰も居ない
はぁとため息を吐くと窓が曇った
“アオ”思わずそのワードを書いてしまう
重症なブラコンなのは分かっている
しかし昨日のことも相まってアオが頭から離れない
なんであんなに悲しそうだったんだろう…
いや、身内が死ぬんだ当たり前か、
頭と感情が切り離されたような感覚に見舞われている
ここらかどうしよう… 霜の降る冷たさでかじかんだ手をまた温めた




