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蛍光灯と暗がりの夜

「それで、話って?」

川原に佇む蒼生はどこか安心するように笑った

「急でわりい、セイのこと試したくて」

「試すって何…本当人騒がせな奴なんだから」

ジト目で今までの心配分皮肉たっぷりに言ってやった

「まあ…座れよ」

「うん」

アオの言葉といい、神妙な空気へといざなわれ少し身構える

「お前、手術受けるんだろ」

「………迷ってる」

何を言おうか色々考えた結果、正直に答えた アオはたじろいだが、そっか、と素直に受け止めてくれた

「私、最初はこのまま何もできずに死ぬなんて嫌だー、って思ったの」


「だって、…」

世界一のピアニストになりたい、その言葉は高2の私がいうには幼稚すぎる夢だ

喉元まででかかった本音は吐息に変わってしまった

「…はあ、ごめん」

「ん、」

「でも、今はね皆のおかげで受け入れられる気がする」

「もうこのまま死ぬのも悪くないかなって、」 「…そっか」

「…でも手術で死ぬのは嫌だ」

「勿論成功すれば万々歳だけど、30%は理不尽だよ」

「私にそんな勇気ない」

「……なら逃げ出せば良いじゃん」

「別にセイが受け入れたなら他に口出すやつなんて居ないよ」

「…でもっ、期待は」

「だから期待から逃げ出したら怖くないでしょ?」

「期待から逃げ出す…?」

「俺なんて親からの期待全部跳ね除けてるし」

へにゃっと微笑んだアオは何故か私の気持ちを模したような笑みだった

それに安堵して、喉元まででかかっていた本音は並のように溢れかえってきた

「…私逃げたいって思っちゃった」

「なんかもう、全部嫌だなぁ…」

「本当…っ、なんで死ぬんだよっ!」

「私皆から見放されたのかなぁっ泣」

ぽろぽろと湿った温もりが頬を伝う

視界はキラキラと光っていてアオの顔が見えない

「大丈夫…俺絶対見捨てないから」

「世界に一人の片割れ見放すわけねえから!」

「アオ…、ありがとう」

アオは優しく抱きしめてくれた

私は今まで心の奥でつっかえてたものが全部解けたんだ

その証に、涙で顔がグチャグチャだ

でもね、アオ ならなんでそんなに苦しそうな声で私の名前を呼ぶの?

温かく抱きしめてくれるのに、なんでそんなに震えているの?

ねえアオ、ごめんね

多分アオは私を救う代わりに自分に蓋しちゃったんだね

これじゃお姉ちゃん失格だよ

キラキラと光る視界は暗くなった空と蛍光灯が入り混じっていた ____

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