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夕焼けと音楽室
「またピアノの練習?」
「うー、詩夢が来たせいで音程狂ったじゃん」
「ごめんごめん、でも最近それしかやってないじゃん」
「残りの人生贅沢に使いなね〜」
「そんな急に言われても何すれば良いかわかんないし…事実上暇なんだよ僕は」
「にゃはは〜、じゃあ又アレ弾いてよ」
「ベートーヴェンの月光ね」
「そうそれ!なんか聞くと落ち着くんだよね、」
「えぇ〜、そうなの?」
「…まあ星華が弾いてるから安心するだけかも……なんちゃって」
「フフン、ありがたく聞いてなよ」
「はーい」
放課後の音楽室は吹奏部が使っていなければ静かだ
1年の頃から、この空間が好きだった
ピアノの席に座ると丁度窓から差し込む夕焼け 、好きな音を奏でる私
この瞬間だけは優越感に浸れる、大好きな空間だ
でもまあ、この音楽室にも2週間しか居られないけれど…
「ふぅ、どうだった?」
「凄いよ、なんか今日のはグッて心にくる感じだった」
「どういうことなの?笑」
「ふぇ〜、…なんか言ってて分かんないや笑」
「んふっ、じゃあ帰るか」
「うん!」
(嗚呼、やっと笑ってくれた…少しは救えたかな、星華のこと…)
「じゃあばいばい、星華 」
「うん、さよなら…」
もうこのくだりもあと何回出来るのかな…
夕暮れに映る彼女はとても儚くて悲しく見えた ____




