余命宣告と半分のアイス
「君、あと一ヶ月しか生きれないよ」
私が目を覚ました時、突然そう言われた
両親は泣き腫らしたような顔をしていた、私が寝ている間に先に聞いたのだろう
双子の弟の姿はない、ショックで逃げ出したのか、はたまた昨日のことをまだ根に持っているのか…
窓の外はとても澄んだ空をしている
まるで不幸など起こらないかのようないい天気だ____
余命宣告を受けてから3日が経った
無事退院し、家では限り残りの人生を楽しもうと両親に励まされた
余命宣告を私が受けるなんてそんな馬鹿なと最初は思った
なにせ、交通事故に遭うことすら夢にも見ていなかったのだから
あまり外見は重症じゃないらしい
しかし、内臓が深くやられてしまい保って一ヶ月と宣告された
自分ですら分からない感情がふつふつと湧いてきている
夢ならいいのにとすら思っている
が、周りの反応と環境の変化で実感せずにはいられない
しかし、双子の片割れ蒼生だけがいつも通りに接した
アオとは喧嘩したばかりで仲を戻すキッカケになると思ったが、彼奴は謝れの一点張りだった
まあ姉である私の寛容な心で仲は戻ったのだが、
「なあ、アイス買ってこねえ?」
「…こんな真冬に?」
「アイスはいつ食べてもうまいだろ」
無神経で人生イージーモードな雰囲気を醸し出している此奴、こんな奴の双子の片割れはさぞかし大変だろうな〜
「全く…しょうがないな、行ってあげるからアイス奢りね」
「へーい、本当寛容じゃないんだから」____
「異常なまでに寒いっ…」
「こんくらいで大袈裟だな…ほらパピコ」
「ありがと、」
冷たいパピコは手先の感覚を鈍らせる
やはり美味しさよりも冷たさが勝ってしまう
「…なあ、セイ後一ヶ月もせずに死ぬんだろ」
「…そうみたいだね」
「怖くねえの、終わりが見えてるって」
「いや怖いわけないじゃん、お陰で一ヶ月は天国みたいな暮らしだよ?」
「うわ心配して損したわ」
「…ハハっ」
「お前の本心とかわからねえけどよ、片割れに涙の一つや2つ見せてくれたって良いんじゃねーの?」
「っ、うるさい」
「…アオは阿呆やってれば良いの、私のことなんて気にしないで」
「……あっそー、じゃ帰るか」
なにか言いたげだったが、黙って自転車を押す
「…うん」
私は少しばかり後悔しながら後を追う
アオはたまに心を見透かしてくるようなことを言う
私はそれに何時も助けられてばかりだ
なんだかお姉ちゃん失格の気分…
日が落ちかけている紫色に染まった帰路はただただ心の中がグツグツと煮えかえったような…そんな色だった____




