丸い石、角ばった石、丸みを帯びてきた角ばった石 同種同士の絡み
丸い石同士、目が合うとまずは挨拶から。
丸い石A「やぁ、ごきげんよう丸い石さん。」
丸い石B「おや、丸い石さんじゃないかごきげんよう。」
丸い石A「今日も絶好の日向ぼっこ日和ですな。」
丸い石B「ここのところ、晴れが続いておりますからな。先週は曇り気味で少し寒かったくらいだったから本当に良かったですな。」
丸い石は晴れを好む。曇りや雨の日はたまにでいい。
丸い石A「この分だと明日も晴れそうですな。当分は雨の日なんて来なくていい、そうは思いませんか?」
丸い石B「全くもってその通りです。」
丸い石同士の会話は基本的に天気の話、または気象・気候の話、またそれにまつわる話がほとんど。
丸い石A「そういえば、この間の強風の日から行方知れずになっていた丸い石さんが昨日少し離れた森の手前で発見されたそうですよ。」
丸い石B「そうですか。それはよかった。」
丸い石同士の会話は基本的にどちらかの言葉数が多く、どちらかの言葉数が少ないように出来ている。そうなってしまう多くの理由は相手に気を遣って、それでいて控えめに、最悪相槌さえうっておけば問題ないという認識からくるものだと言われているが、単純な飽きからくる【とりあえず、テキトーに相槌さえうっておけば問題ないだろう】という認識からくるものや、丸みを帯びてきた角ばった石だった頃の思い出したくもないトラウマのせいだったりする。
角ばった石同士は基本的にいがみ合ってる。お互いに目が合ってしまった。それすなわち、開戦の合図。
角ばった石A「なにガン飛ばしてきてんだよ、テメェェェ!!」
角ばった石B「そっちこそなにジロジロ見てきてんだよアァァン!!」
角ばった石A「ちょっと角ばってるからって調子に乗ってんじゃねぇぞゴラァ!!」
角ばった石B「なんだ、やんのか?上等だよかかってこいやァッ!!」
角ばった石同士の喧嘩はお互い自分が一番角ばっていると思う部分をぶつけ合い、どちらかの角ばった部分が完全に折れたら、もしくは本人でも自覚できるくらい欠けたら負け。ちなみに決着がつくまでだいたい十分くらい。
ちなみに負けてしまった角ばった石は他の角ばった石達に一生後ろ指を指され笑い者にされる運命にある。だいたいの角ばった石はプライドが高く、そんな扱いを極端に嫌う。なので、丸みを帯びてきた角ばった石達が溜まってきている場所に自主的にやってくる。負けて欠けたとはいえ、まだバリバリとがっているので睨みはめっちゃ利かせている。ので、他の丸みを帯びてきた角ばった石達からしたら気が休まらないので大変迷惑な存在でしかない。
丸みを帯びてきた角ばった石は全員シャイだ。なぜシャイなのか、はっきりとしたことはわからないが角ばった石の頃のとがり具合を恥じた結果なのではという説もある。なのでお互いに話すことはない。