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剣玉でもすっか……

作者: 藤乃花

洋菓子食べるか……そう決めたアタイは近所にあるお気に入りのケーキ屋『ホワイトクリーム』サマへと、スキップしながら行ったのさ。



超ハイパー楽しみな気分で『ホワイトクリーム』サマんトコ来たら来たでさ、(んあ?)って思ったよ。

なんでか知んないけどさ、店ん前に、ケーキ待ちか何かの客みたいな子たちがさ、アチコチで待ってんのさ!


本読みいの、スマホ観いの、音楽聴きいの、嫁ぎいの(違えし古い)……。


何があった?

何で今日、こんなに客多い?

店でイベントなんかあったっけ?


アタイの目がキョロキョロ周りを探ると、何組かの男女コンビがチラホラいた。


(あ、そっか……今日は確か、七夕カップルセールの日だったっけか?)

アタイ、彼氏とかいねえから、気付かなかったさね。


七夕とか、どうでも良くてさ、アタイは兎に角ケーキ食べたい!

「さーせん、山盛りストロベリー、ワンホールでお願いしゃーす!」

「かしこまりました。

番号札をお持ちして、暫くお待ちください」


15番っつう、イチゴっぽい番号札握らされてさ、アタイはケーキ出来上がるまで待つことになった。

こゆ時って、だいたい人間てさ文字ばっかの頭が痛くなりそうな小説とか読みたがるな。


アタイにはわかんね。

文字だけのモンとか読んで、楽しいのか?

アタイの待ち時間は、これだよ!


ジーンズのポッケに入れてるこれを出した。

(剣玉でもすっか)


カッ、カッ、ヒュ……ッ!

玉と紐と剣……そして遊びハートさえあったなら、どんな空間でも楽しめる。

剣玉あれば、アタイは何時間でも待てるさね。


『大皿』『小皿』『中皿』『ろうそく』『とめけん』……んあ?

なんね?

なんでか知んないけどさ、周りん客ら、アタイを見てっぞ……なんでだ?


早くケーキ買ってウチで食べてえ!

「凄いですね、お上手」

「んあ?」


客の一人がなんでか知んないけどさ、アタイに話しかけてきた。

「プロみたいです。

剣玉の名人の方ですか?」

プロって、剣玉界でプロとかあったっけか?


わかんないけど、スルーしないで答えないと感じ悪いぞ!

「いや……アタイは畳屋の子なんで、剣玉のプロとかキョーミないんで」


才能とは、好奇心と別の物である。









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