1/7
あらすじ
物語の舞台は、第二次世界大戦が回避された世界。1930年代後半、各国の指導者たちが緊張を和らげ、徹底的な外交交渉の末、戦争は回避された。その結果、国際社会は一種の政治的均衡を保ちながら平和の時代に突入した。軍拡の代わりに、各国は技術革新や社会改革、文化の発展に力を注ぐ。平和維持を目的とした「新国際連盟」が結成され、各国の軍事力は制限され、軍国主義的な動きは抑えられている。
平和が長く続くこの世界では、戦争による国の崩壊は起こらず、技術や文化が急速に発展している一方、表向きは平和を装っている新国際連盟に潜む闇が浮き彫りになっていく。各国の政治的・経済的な利害が複雑に絡み合い、平和維持を建前に強力な影響力を持ち始めた新国際連盟は、一部のエリート層によって操られていることが判明する。弘志は、この真実を突き止めるため飛び回り、真相を探る。