表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

うずくまる猫

ピアノの上

そこはその猫の定位置だった

そこは、

飼い主の演奏を

心地よい歌声を

そして

何よりも笑顔を

楽しめる場所だった


ある日、飼い主は気がついた

いつもの場所から、その猫が

いつのまにか動けなくなったこと

いつからのことだろうか

どのくらいだっただろうか


最初は咳

息の苦しさが出ていた

いつのまにか

ジャンプするのが億劫になった


やがて、背中の痛み

優しい飼い主が抱き上げるたびに

痛みを訴えた


飼い主もまた呼吸困難から

肺癌に

そして播種へ


飼い主は猫を

抱き上げること

猫のそばへ行く力

さえ失った


まもなく飼い主は

天へ

そして猫も天へ行った


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ