◎第6話〈 パーティー 〉
◎第1章 - 異世界アンチの俺が渋々勇者になり魔王をボコボコにして帰るはずが、パーティーメンバーに止められてなかなか帰らせてくれない。-〈第6話〉『 パーティー 』
これは、とある日のギルド内での事だ。
あの劇的(笑)のジャイアントスネイクの討伐から数日が経過し、俺達は真面目にギルドの仕事を受けることにしたのだが……。
「‥‥‥‥あの、シエルさん。」
「な、なんですか。」
「パーティーメンバーの募集の紙を貼ってからもう何日経ちましたかね。」
「え、えっと、一週間くらい、ですかね。」
「どうして。俺達のパーティーは未だに2人しかいないんだろうね。」
「ど、ど、ど、どうしてなんでしょうね。」
俺はスーッと立ち上がり黙ったまま頭を抱えた。そして苦痛と絶望を足して2で割ったような顔になった。
なぜだ。なぜだ?!なぜだ?!!!!!
前回のいいいいいいい感じの雰囲気に流されて異世界生活?俺の青春を奪うくらいならとことん楽しませてみせろぉ!!と思って早速仲間を募集したが、未だにデュオプレイなんだが‥‥‥。
あれ、こーゆーのってもっと俺つえええ!!みたいな展開とか、女の子に囲まれてウハウハ〜♡みたいな展開にならないの?あれ?俺の知ってる異世界と違うぞ?お?大丈夫か??お?お?
それに前のコイツ発言『絶望に貴方を落として見せます』宣言。どうやって切り抜けるか‥‥‥。
(注意:坂口守は前回のシエルの言葉を勘違いしております。)
やっぱり魔王を倒して元の世界に戻る為にはパーティーメンバーが必要だもんなぁ‥‥‥。
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
「お、大きいため息をつかないでくださいよ。私だってこれでも頑張ってるんです!」
「もちろんだよ。シエルが頑張ってくれているのは分かってるんだけど、なんだかさ〜。」
そう、なんだかなのだ。
ここの人達は男性からの視線は感じるが女性冒険者からの視線がまさに汚物を見るような目をしていた。まるで俺の良くない噂でも広がっているみたいだ。
ったく、俺が何したってんだよ……。
パーティー募集の張り紙にも、ちゃんとアットホームで愉快な仲間達が貴方を歓迎します!!って書いてあるのに……。僕ちゃんってもしかして嫌われちゃってるのかなぁ……。
「おうよ!グラディエーターのあんちゃん!!どうした?浮かない顔をしてるな?」
そう言って近づいてきたコイツの名前はクラウン。色黒でマッチョでいつもタンクトップをピチピチに着ている変なヤツだ。
ちなみにこないだ傘の代わりに盾を貸してくれたのもコイツだった。
「なんだよクラウン。笑いに来たのかよ。俺達もうパーティーの募集をかけてこれで何日目だ?ったく。こーゆーのは転生した勇者様に群がって最高戦力がぱぱっと揃うもんだと思ってたんだが……どうも現実はそんなに甘くなかったみたいでな……」
少し涙目になっちゃうくらい、俺はしょんぼりしていた。
そんな俺の肩をクラウンは思いっきり叩き出して言った。
「んがっはっは!!!難しい事はよく分からんが。そんな事ならギルドからまだパーティーに加入してない冒険者を見繕って教えて貰うといい!まぁ俺は先客があるんだがな!んがっはっはっはっは〜!!!」
クラウンは大きく口を開けて笑うだけ笑ってどっか行きやがった。正直、アイツのあのポジティブな所は見習わなきゃ行けないと思う。俺もあんなふうに慣れたら……と思わない日は無い。
「はぁ……けどアイツの言う通りかも知れないな。よし、善は急げ!!じゃあとりあえず俺達2人でまだパーティー未加入の冒険者を探してみるか。」
「ちょっと待ってください!!」
シエルは立ち上がる俺の腕を掴み、頬を染めた様子で下を向いている。
「……ほ、他の冒険者って……お、女の子も入れちゃうんですか??」
「へ?」
「いや!!その、私より可愛い子が来ちゃったら困るな〜なんて……いや、変な意味は無いですよ?!全然!!全く!!これっぽっちもやましい気持ちはないんですけどね!!!」
「……さっきから何を言ってるんだお前は。」
「う、うるさいわい!」
急に変な口調になったり、情緒不安定なのだろうか、、、。
まぁ人に向かって『絶望に貴方を落として見せます』なんて言っちゃうような子だしな。もしかしたらサイコパスなのかも知れない。
(注意:坂口守は前回のシエルの言葉を勘違いしt……以下略。)
「まぁ、今の所俺の周りは男だらけだし、不本意だけど。多分女の子はパーティーに入りたがらないよ。」
「そ、そうですか。それは……良かったです。」
ん?なんだかさっきからシエルの様子がおかしいな。
はっ!!!まさか『絶望に落としてやる』とは俺に女子との接触を禁止する目的か?!!!いや、待て待て、そんな事で俺が絶望する訳がなかろうに。なんせ、異世界アンチの俺が異世界に来てもピンピンしてるのだからな。
「はぁ、お前の考える事はよく分からないな。」
「むー、分からないってなんですか!!」
「んま。けど、女だろうが男だろうが、一緒に魔王をぶっとばす“仲間”だもんな!せっかく無茶な冒険に出るんだから友達になれるといいけどな!」
「友達……?ですか?」
「あぁ!その方がこのロールプレイングゲームまがいも気楽にクリア出来るだろ!」
「ロー……え??」
「んん、なんでもない。こっちの話だ。とにかく、まずはパーティーメンバー探さないとな!!なんせ俺はこの世界に召喚された“勇者様”なんだろ?ほら、来いよ、シエル!」
俺はシエルの腕を掴み、軽く引っ張った。
「あっ……手……!!!!」
シエルの顔は見えなかったが、無性に体温が熱いような気がした。まぁ気のせいだろうけど。
するとどこからか椅子から立ち上がる音が聞こえてきた。
ガコン
向かいの席、俺達が座っていた場所とは反対の席で食事をしていた少女が突然立ち上がり、俺の元までやって来た。
ピンク色の髪の毛に神官?のような服を着ていて、歳は俺と同じかちょっと下くらいの童顔だった。
「……あの!!!!!!!!貴方が勇者様なのですか?」
「へ?あ、あぁ、そうだけど‥‥‥。あんたは?」
呼び止められ、俺とシエルは不意に後ろを振り返った。
その少女を見るなり、シエルは少し嫌そうな顔をしていた。
「……ムッス!!」
その子は少し顔を赤く染めたまま俺を真っ直ぐに見つめて、その場から駆け足で近づいて来る。
ドサッ
「ちょ!!ちょっとあんた?!急に何して‥‥‥」
驚くことに、その子は目が合ったと思えば俺を目掛けてダイブしやがった。俺はそのまま後ろに尻もちをつく形で倒れ込んでしまった。その間少女とは驚く程に密接に……。
にしても、この子、凄く‥‥‥大っきい。
「やっと出会えたのですね。勇者様。私の愛しき旦那様。」
へ?
「へ?」
はぁぁあああああああ?!?!!
「はぁぁあああああああ?!?!!」
to be continued ----.
最後まで読んでいただき、
誠にありがとうございました。
今後とも、
この作品を完結まで描き続ける所存であります。
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また、アドバイスやご指示等ございましたら、そちらも全て拝見させて頂きたく思います。




