創作上の悪役令嬢に関する考察
なろうにおける「悪役令嬢」
ジャスラ〇クがゆ・る・さ・ん!(ブラックな仮面ライダー)なので
どこの誰だか知らないけれど誰もがみんな知っている!それが悪役令嬢。
まるで月〇仮面な「悪役令嬢」その源泉はどこにあるのか?かれはーダレかー?
銀河鉄道のよーるーよーるー。アナータにーあげーたいー。
なろう小説上にて「クソ妹=愛玩子の姉妹」に双璧をなす「悪役令嬢」であるが「乙女ゲームの設定上の
悪役令嬢」もまた架空創作の産物である。ではその源泉やいわゆる「モトネタ」をどこに求めるのか?
筆者は、古典的なアニメにおいて「エースをねらえ!」「ベルサイユのばら」が最大至上のものであることと「キャンディキャンディ」「世界名作劇場」と「魔法少女アニメ」とそこからのオマージュである1980年代のロボットアニメとOVAに存在すると見る。
1,絶対至上「お蝶夫人」
元祖悪役令嬢のイメージを固定したのがエースねらえ!におけるヒロインのライバル竜崎麗香ことお蝶夫人だろう、縦ロール金髪に長身、お嬢様言葉に現実離れしたブルジョワ生活は後述のベルバラのマリーアントワネットにひけをとらないイメージと存在感を人々に植え付けた。
2,空気を読まないで周囲から憎まれる史実からの元祖悪役令嬢ベルサイユのバラ「マリー・アントワネット」
悪役令嬢が周囲から疎まれ地位と生まれにも関わらず冷遇され生命の危険にまでさらされる元ネタが
このベルバラのマリー王妃である。断罪処刑もしくは革命の必殺パターンはだいたいこのひとのせい。
3,キャンディキャンディにおけるイヤな女の決定版「イライザ・ラガン」
なにかとヒロインにつっかかり、誹謗中傷ついには直接のイヤガラセや実力行使に至る悪役令嬢の決定版と言えばキャンデイキャンデイの敵役ラガン家姉弟の姉イライザ・ラガンである。地位や血筋や貴族を鼻にかけヒロインをいじめるイヤな女の元祖と言えばコレだろう。ちなみにブラックな境遇だの職場だの追放だのイベントはだいたいこのアニメが源泉である。
4,世界名作劇場で少女主人公をいじめるモブ。世界名作劇場は悪役令嬢というか「ざまあの元祖」である。アルプスの少女ハイジにはじまり、小公女セーラ、ペリーヌ物語、赤毛のアン、牧場の少女カトリ、ポリアンナ物語にてかかせないのが「ヒロインをイジめるモブ」である。ロッテンマーヤさん、ミンチン校長という更年期障害がきつそうな女史たちや近所のオバさんまで、たいがいヒロインのパワーと天然ボケに返り討ちに会うかざまあになる悪人ポジで終わるかどちらかである。
5,魔女っ子メグちゃんのハイスペック悪役令嬢ノン
「魔女っ子メグちゃん」をご存知だろうか?タイトルの低年齢さに違うJKキャラの魔女王候補のメグが生来のお人よしとじゃじゃ馬全開でトラブルを力技でどーにかする話である。そのライバルで頭脳明晰・冷静沈着のクールビューティが「ノン」であり、どーみてもヒロインよりスペック高いだろ、親戚にメーテルいるだろな美女であるがナゼかヒロインにヘンなコンプレックスを持って最後にはキャットファイトまでしてしまう。実はかなりのボケキャラである。近接戦闘に弱いていうかソコだけがメグのほうが強い。
6,元祖乙女ゲーム設定「花の子ルンルン」
なろうにおける乙女ゲーム設定を見るにどうしてもこのアニメに源流を見てしまう。RPG的なメインシナリオ目標・クエスト設定、敵役、イケメンヒーロー、死亡復活覚醒イベントなどファミコンPCゲーム以前にゲームシナリオかくやと言えるストーリー展開がこの花の子ルンルンである。敵役の悪役令嬢トゲニシアであるがどう見ても行き遅れの・・・これ以上いけない。
7,キューテイーハニー以降のヒロインのチートインフレと悪役令嬢の喪失。
1980年以降魔女っ娘アニメは「ヒロインがチート」に方向性を変え悪役令嬢が必要なくなってしまう。
あまりにも強い主人公補正はのちのセーラームーン全滅事件に帰結し、悪役令嬢の回帰をのちに促す。
それに最も寂しく感じていたのは作り手達であろう。キューティーハニーのアニメがなぜ未完であったか
今一度再考すべきだろう。
8,設定美女全部美人悪女=悪役令嬢 松本零士
松本零士という人は「女はすべて美女でなぞがあり実は強く悪女である」という信条を貫徹した稀有な
漫画家である。ゆえにメーテル・エメラルダス・プロメシュームからクレア・シャドウ・マゾーンまで
すべてこの設定で、マゾーンは設定自体「悪役令嬢の集団」である。主人公からライバル・敵役の男までこの悪女たちに振り回されトチ狂って自滅する。そして悪役令嬢を倒すのもまた悪役令嬢である。
それが松本ワールド。
9、帰ってきた悪役令嬢「戦えイクサー1!」におけるイクサー2
イクサー2(CV 戸田恵子→ここ重要)はこのOVAにおいて残虐さ性格の悪さにかかわらず主人公をしのぐ人気をいまだに誇っている。それはなぜか?彼女がヒロインに対峙する悪役令嬢だからである。
平野監督もそこは心得ていて主人公イクサー1に対するイクサー2からの尊称は「お姉さま」であり。
イクサー1と加納渚が発見されその会話から誰何されたセリフは「その必要はなくてよ!」である。
ハカイダーのオマージュといわれる激強の妹だが、姉の1000倍のお嬢様属性を持つ悪役令嬢であった。
10,パロディの存在となる悪役令嬢。
悪役令嬢というキャラは本来扱いづらいものでガチでやると主人公のキャラを食うという厄介な存在である。その証拠にスレイヤーズすぺしゃるにおける白蛇のナーガは存在が悪役令嬢のソレなのにイロモノとなり、ナースウイッチ小麦ちゃんマジかるてでは国分寺こよりの裏の人格であり、魔法騎士レイアースでは なんと主人公の光自身であった。
11,悪役令嬢はバーロー。ダークプリキュア。
セーラームーンが主人公たちのチートかげんが暴走しあの全滅イベントに懲りたのか、ひさびさに
悪役ライバル役にプリキュアにて回帰が起こったのがクズ魔神に騙され洗脳された主人公の父ことサバーク博士が自身の心の平衡を保つべく生み出した仮初の娘「ダークプリキュア」である。悪役令嬢設定なのでこの娘強い強い。主人公はお約束に負けイベントを起こし、当然他のプリキュアも歯が立たない。
ようやく倒すも培養液につかってパワーアップ。あれれーこのシーンどっかのOVAで見たぞー?
このように強力かつ重要な設定の悪役令嬢であるが、なろう物語上の悪役令嬢は悪行を糾弾されるだけの
サクリファイスの代名詞であり、その設定にされた主人公も本来の力と意味をしらずヘイトイベントにおびえてあの手この手で回避しようとするヘタレぶりを披露し追放先や逃亡先で相手の自滅を待つというなんとも情けないストーリーラインとなる。本来は負けイベントやヘイトイベントが存在し、段取りやフラグ、アイテムやイベントを消化して打倒できるのが「悪役令嬢」なのである。
そういう意味では「盾の勇者の成り上がり」におけるビッチ女神こそが本来の悪役令嬢であり、そこまでの主人公のヘイトとカースを集めなければ打倒しえない乙女ゲームのラスボスのはずである。
なろう投稿者の書き手の皆様においては、是非本来の悪役令嬢のかたちと復権を切にお願いするものである。
ここであくまで「創作上の悪役令嬢を参考に」を前提としたのは史実の悪女悪役令嬢はまさにシャレにならないレベルであり80年代魔法少女や常勝のセーラームーン並のチートキャラで悪魔超人並に残虐なので、全年齢対象のなろうにはおよそそぐわないものであると付け加えておく。
やっぱお蝶夫人と、お菓子をおたべのアノひとですよね。