食らう者②
進めるのがやっぱり難しい
暗い森。
月明かりのみが俺のことを照らす。
死んだと思ったがここが天国なのか? 少なくとも地獄には見えないが、、、
さっきまではコンクリートの上に居たのに今は少し湿った土の上。
状況に理解が追い付かないが此処はどこなのだろうか?どこかの森だとは思うが、家の近くにはこういった森はないからなと月を見ながら言う。しかしながら今気づいたがよく見るといつも見ている月よりも大きく感じる。
「ん?」
ふと後ろを見ると少し小さいがもう一つの月を見つける。
「あーわかったぞ此処は夢だ」
さっき自分のほっぺをつねったと言うのに現実逃避をしてしまう。
すると右腕に違和感を感じる。いつもより重く、硬く感じる
「悪いがもう俺は驚かんぞ」と言いながら見るとそこには見たこともない腕がある。
「なんなんだよこいつは」
今までこの数分間で色々と起こりすぎてもはや驚きもしなかった 腕には均等に皺が入っており「そこには入らんだろう」と言う場所にも皺は出来ていた。
しばらくそれを剥がそうと引っ張ってみたり、振り回したりしてもそれは剥がれなかった。
「たく!剥がれろよ!」
イラつき混じりに言っていると突然手のひらの皺が開きはじめた、
「なんだ」と流石に驚いていると皺の中からは歯が見え始める。
流石に怖くなり剥がそうと必死になるが、剥がれる気配は無い。
「くそっ、くそっ」 と右腕を振り続けていると、
「おい!」
「えっ」
咄嗟に手を振るのを止める。視線は右腕とは反対方向を向いている。どこからとも無く聞こえてきたその奇怪な声は右腕方向から聞こえる。このまま振り向くのか振り向かないのか、必死に頭を回転させていると。
「テメェいい加減にしねーか!さっさとこっちを見やがれ!たこ助が!」
「何だと!このヤロー!」と強気に振り返るとそこには、、、
赤黒く太い胴をし、口しか付いてない蛇のような物がいた。
よく見てみるとその蛇のような物の根本は俺の右腕の手のひらから生えて
きていた。
「はっはっ、まじかよ」
呆れたような声で言う。
するとその蛇のような物の先に付いている口がこういった。
「よう!新しき我が身体よ!」
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