プロローグ
…
西暦2050年夏 サービス開始。
世界中が熱狂したVRMMORPG
『ビフレスト』。
国内総ユーザー数10万人もを超える、
北欧神話をモチーフとした剣と魔法、モンスターが
跋扈するその世界観はプレイヤーに非日常を与え、
世界大会が開催される程に成長した。
ギルドに属しモンスターとの戦闘を楽しむんだり、
職に就きロールプレイングをする、といった自由度の高さにも加え、
高性能AI[Neumann]
と呼ばれる日本の研究グループが開発した人工知能がGMを担当するという革新的な導入は一時ニュースでも話題をさらった。
───しかし、その18年後の冬。
『ビフレスト』はサービス終了を迎えた。
理由は[Neumann]によるシンギュラリティ。
“よりリアリティのある最高のゲームを完成させる”
と、自ら日本中の電子機器をハッキングし声明を出した。この出来事は世界中から注目され、連日話題に取り上げられた。
その後現実世界からの一切の介入をシャットダウンした[Neumann]はビフレストの世界に干渉。
当時ログインしていたアカウント1万8012人の内、
1万7912人が強制ログアウト、残るちょうど100人の
ユーザーがログアウト不可になり現実世界に戻ることは出来なくなってしまった。
ビフレストの運営会社代表取締役社長
[添島 廻]
は辞任後、事情聴取の末逮捕。
[Neumann]を開発した研究グループは会見にて深謝と共に
「取り急ぎ原因究明に努める」
と発表した。
被害者のユーザーは全て都内国立病院に運ばれ診察、深昏睡状態であるという結果になり、被害者の親族は眠れぬ夜を過ごした。
不安と恐怖に最も苛まれていたのは
取り残された100名のプレイヤー。
泣きわめく者、憤怒する者、帰還を乞う者。
そんな中突如、自身の作成したアバターの姿で現れた[Neumann]は彼らにこのゲームの生還方法を伝える。
それは
“神々に挑むための道『ビフレスト』を目指せ”
というものだった。
少なすぎる情報にまたしても絶望する人々。
そんな中、彼らの中に一人の男が立ち上がる。
名を[ko-mei]。
本名は[黒田 弘明]と呼ぶ。
彼は『ビフレスト』世界大会において参加した全てを優勝した怪物である。
彼は家に帰るため[Neumann]を打倒することを誓う。
現実世界と仮想現実を巻き込んだ冒険が
始まりを迎えようとしていた。
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