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かーちゃん実は魔法少女だったの……  作者: 海原虚無太郎
第1話 魔法熟女?プリティーピーチ復活
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危うしマギカフォース!!新たな仲間はお母さん!?(3)

 <<私、春日井日向!星宮中学校に通う13歳!

昔から魔法の世界に憧れてたんだけど、ある日妖精のシリウスが現れて私に魔法の才能があることがわかっちゃうの!

 お友達の海美ちゃん、空良ちゃん、花代ちゃん達と一緒に契約して魔法少女になった私達、魔法少女隊マギカフォースは魔法の力で皆を幸せにしちゃうぞ!!>>


 もちろんこれはマギカサンシャインこと春日井日向の妄想設定である。

 だがシリウスも流石に魔力素養のほとんどないミソッカスでも使える装備のモルモットだとは言えず、曖昧な説明をしているうちに彼女達の内ではこれがほぼ公式設定となっていった。



「行け悪鬼兵!奴らを八つ裂きにせよ!」

 広場に降り立ったマギカフォースの5人に向かい怒号と共に怪人たちが押し寄せる。

「やるわよ!アクア!」

「言われなくても戦いますわよ。スカイとフラワーは後方から援護を頼みますわ」

「ニャハハ!オッケー!」

「う、うん……」

 赤、青、緑、黄の魔法少女たちがフォーメーションを組んで迎え撃つ。

「ドリームはいつものように指示するまで待ってなさいよ!」

 アクアと呼んだ魔法少女と共に前衛に立つサンシャインは最後列にいる黒の魔法少女へと叫ぶ。

「わかりました」

 ドリームと呼ばれた魔法少女は無機質な杖を両手に握りなおし意識を魔力コントロールに集中させる。

 前に出た魔法少女達は刀身が光輝くエナジーブレードを起動させ、後衛の魔法少女達はこれまた無機質で無骨な銃を構えた。


「サンシャインクラッシュ!!」

 襲い掛かる悪鬼兵へマギカサンシャインはエナジーブレードを振りぬく。

 まばゆい閃光と共に斬撃を受けた悪鬼兵は吹っ飛ばされ、その周りにいた者も衝撃波によって弾かれた。

―マギカサンシャイン(本名:春日井日向(かすがいひなた))

 マギカフォースのリーダーを自称し他のメンバーを引っ張る猪突猛進タイプ。魔法少女に一際憧れをもっており、そのこだわりも強い。自分を含めたマギカフォースのメンバーそれぞれのコードネームを考えたのも彼女である。

 一方で魔力素養はメンバーの中でも最低であり、「輝き」という非常にレアな魔力属性を持つもののまるで使いこなせていない。必殺技のサンシャインクラッシュもエナジーブレード内蔵のスマッシュモードに派手な閃光が追加されるだけである。


「ギギギィー!!」

 悪鬼兵がマギカアクアの四方から迫り来る。

「舞いなさい!アクアウィップ!!」

 ダンスのターンのごとく軽やかに回りながらエナジーブレードを振るう。

 青く変色した刀身が鞭のようにしなりながら伸び、悪鬼兵をなぎ払う。

―マギカアクア(本名:夏樹海美(なつきうみ))

 夏樹物産のお嬢様であり、冷静でやや冷めた性格。日向とは馬が合わないが何だかんだで互いを良きパートナーだと思っている。

 魔力素養は日向よりも若干上な程度のほぼミソッカスで、アクアウィップはエナジーブレードのウィップモードに「水」の属性を付与しただけのもの。サンシャインクラッシュもだが、実は全員普通に使える標準仕様の機能を使っているだけであるが、なぜか彼女達は固有の必殺技だと思い込んで使ってみようとさえしなかった。


 アクアウィップに弾かれて距離をとる悪鬼兵達だったが、さらに数を増やして押し寄せてくる。

「ニャハハ!スカイスライサー!いっけー!!」

 マギカスカイの構える銃から緑色の三日月状のエネルギー弾が無数に発射され悪鬼兵の集団を切り刻む。

―マギカスカイ(本名:秋山空良(あきやまそら))

 独特な笑い声や語尾が特徴のムードメーカー。ノリが軽いためちょいちょいウザがられている。

 魔力素養は下の中といったあたりで、必殺技はエナジーガンのスプレッドモードに「風」の属性を応用して付与したカマイタチ弾を撃ち出す。


 スカイの銃撃によって大きく崩された悪鬼兵の集団であったが、さらに数を増やし、接近戦の他に遠距離から魔力弾攻撃も始めだした。

 悪鬼兵の放つ無数の魔力弾が他の悪鬼兵達との戦いに釘付けにされたサンシャインとアクアに殺到する。

「ふ、フラワーリフレクション!」

 マギカフラワーが他の魔法少女達のものよりも一回り大きな手甲をかざし叫ぶ。

 その瞬間サンシャインとアクアの周囲にシャボン玉のような虹色の幕が展開され、魔力弾を取り込んで撃ち返していく。

―マギカフラワー(本名:冬月花代(ふゆつきはなよ))

 引っ込み思案でおとなしい性格の持ち主。マギカフォースとして戦うことは今でも辞めたいと思っているが日向の迫力に負けて言えないでいる。

 魔力素養は四人のうち最も高く、「守護」の属性をある程度使いこなせている。必殺技のフラワーリフレクションは彼女専用のバリアデバイスに反射効果を付与して展開したものである。


「あーもう、埒が明かないわね!ドリーム!まとめてやっちゃいなさい!」

「わかりました」

 マギカドリームは空中へ浮き上がり、両手に握り締めた杖を振り下ろす。

「ドリームパニッシャー」

 機杖とも言える無機質な杖の上部に装着された円柱形のパーツ群が甲高い音を上げて高速回転を始め、先端部の銃口のような穴からブラズマを走らせながら漆黒のエネルギー塊が撃ち出される。

 漆黒の塊は悪鬼兵の群れへ着弾し、爆心地にいた30人ほどを塵へと変えた。そして爆風と着弾の衝撃がその周囲の悪鬼兵達を打ち据える。

―マギカドリーム(本名:杉田夢(すぎたゆめ))

 この4月からマギカフォースに加入した。しっかり者だがまだ小学6年生であり、中学生の他の四人とは打ち解けないでいる。

 「破壊」の属性に非常に長けており、魔力素養は他のメンバーとは比較にならないほど高い。だがそのことも軋轢の原因になっており悩んでいる。


 圧倒的な破壊の力が振るわれ戦線に大きな綻びが生まれるが、崩れるよりも多くの悪鬼兵達が次々と集結し魔法少女達を取り囲んでいく。

「ちょっと数が多すぎない?」

「流石にヤバい雰囲気ですわね」

 後退し他の魔法少女達の元へ集まるサンシャインとアクア。彼女達を包囲する黒い群れの奥でその様子を眺めるダンテは必勝を確信していた。

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