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かーちゃん実は魔法少女だったの……  作者: 海原虚無太郎
第1話 魔法熟女?プリティーピーチ復活
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危うしマギカフォース!!新たな仲間はお母さん!?(2)

「ハートスポットはまだ見つからんのか!」

 地を揺らすような怒号が響く。

 ここは星宮市営団地。しかし周囲は色を失い、灰色の世界が広がっている。

 星宮市とスターランドは次元の表裏の存在であり、二つの次元はハートスポットと呼ばれるやさしさのエナジーをそれぞれの世界に循環させる接点によって繋がっている。

 そして今謎の集団が蠢くこの場はそのハートスポットが存在するという二つの次元の狭間、異次元回廊だ。

 異次元回廊は現実世界と位層がずれた世界であり、現実世界の場所そのものであるが現実世界とは隔離された空間となっている。

「鬼兵長ダンテ様、ただいま探索の範囲を広げておりますので時間の問題かと」

 団地中央の広場では赤く光る釣り目のようなマークが描かれた仮面をつけた黒衣の怪人たちが大男に傅いて報告していた。

「悪鬼兵たちよ!今度こそハートスポットを破壊し人間共を暴虐の渦へと叩き落すのだ!!」

 ダンテと呼ばれた緑色の肌をした大男、一見すれば昔話に出てくる鬼のようなと形容すべき彼は怪人達に指示を飛ばしていく。

 30年前もウラーム帝国はハートスポットを破壊することでスターランドからのやさしさのエナジーを遮断し、人間のやさしい心を汚染したため星宮市内では凶悪事件が多発した。そして現代においても彼らは同じ方法で人間界へ侵略の手を広げようとしていたのだ。

「ヘイトレギオンとして連合したが、我らウラーム帝国の戦士こそ最強ということをやつら知らしめるのだ!」

 ダンテは探索が進まないことに苛立ちながら悪鬼兵を探索へ向かわせる。灰色の世界を蠢く黒衣の怪人達の群れはまさに悪鬼そのものであった。


「あなた達の悪事もそこまでよ!!」

 灰色に染まる団地の屋上から突如声が響く。

 次の瞬間青い光のゲートが現れ、その中から五つの光が飛び出した。

 光の中では魔力によって少女たちが薄い魔力のベールに覆われ、着ていた服はデザインは同じながらそれぞれ色の異なるボディースーツへと瞬時に転換されていく。

 そして肩、胸、腕、足へとプロテクターが次々装着される。

 頭部にはヘルメットが現れ、鼻までを覆った黒いバイザーによって口元以外の彼女達の素顔を隠している。

 光が収束したその場には赤、青、緑、黄、黒をそれぞれ基調とした戦闘スーツを纏った少女達が並び立っていた。

 その姿は魔法少女というよりかは戦隊ヒーローといったほうがしっくり来るものであったが、柔らかなボディーラインとヘルメットから零れる彼女達の髪によって女性だということが辛うじて判るシルエットであった。

「我らマギカフォース!ヘイトレギオン達よ覚悟しなさい!!」

「そういう名乗りはいらないって言ってるんだけどなぁ……」

 ビシッとダンテに向かい指を突き出した赤いスーツを着た魔法少女の横で犬のようなぬいぐるみがやれやれといった具合に呟く。

「シリウス……、こういうのはお約束が大事なのっていつも言ってるでしょ!」

 赤いスーツの魔法少女は横で浮かぶぬいぐるみに返す。

「現れたな!マギカフォース!!今度こそここが貴様らの墓場となるのだ!!」

「アレよ、アレ。敵さんのがよっぽどお約束を大事にしてくれてるじゃない。悪役の鑑だわ」

 殺気を放ちこちらへ怒鳴り返すダンテの行為に賞賛しながら屋上から飛び降りる赤いスーツの魔法少女。

 それに続くように横に並んでいた魔法少女達も屋上から広場へと降り立つ。

「今回もバシっと決めるわよっ!!」


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