魔法テストの、本当の意味!!
翌日、スノにとって大事な魔法テストの日がやって来た。
「ったくさ、何で今日なのさ!
訳が分からないよ!?」
ぶつくさと、文句を言っても無駄だと分かっているため、スノは黙って学校に向かった。
ら
途中・・・
父・オルガの職場へと顔をだし「頑張ってくるね!」とだけ告げた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
学校に到着したスノを、村長と担任の教師が出迎えた。
「おぉっ、スノよ。
待っておったぞ」
村長が言う。
「きょうも頑張ってね!!」
担任の教師【キサラ】が言う。
特別室へと案内され、スノは、テストの時着用するドレスローブに着替えた。
スノが着るドレスローブは、彼女の好きな淡い桜色をしているため、少しでもやる気が出るように、頑張っての意味を込めてキサラが贈ったものである。
「スノ・カムラギ・・・
自分の力を信じ、力を高めよ」
キサラに言われた通りに《呪文詠唱》を開始するスノ。
《神居なき場所、我居たり。
我が生命存在しない空間、神の御霊至れり。
我が血。
我が肉体。
我が御霊。
全てにおける魔力の源よ。
我は。
全てにおける、魔力を持つ者なり。
我が心の声を聞け。
我が真実の属性、導きたまえ》
淡い灰色の空間が、スノを覆っていく。
その空間は、七つの球体へと変化し・・・
スノの足元に、静かに降りた。
キサラが静かに口を開く。
「・・・っつ・・・
おっ恐れていたことが現実となってしもうたか・・・
スノ、良く聞いてください。」
キサラの表情が強張っていく。
「スノ・・・
これ迄の魔法テスト、お疲れ様。
今回で、終わりにする事にします。」
驚きを隠せないスノ。
「えっ?
どうしてですか?」
「スノ・・・
これ迄貴女に、魔法テストを行ってもらって気がついたことがあります」
キサラの顔が強張っていく。
「貴女には、私にも分かりかねる魔力があるのかも知れません」
黙っていた村長が口を開く。
「キサラよ・・・
それは、どういう事なのだ」
「今回で、七回・・・
スノに魔法テストを受けてもらった回数です。
今までは、魔力空間からは透明な液体しか出てきませんでした。
しかし今回は、透明な液体ではなく、七つの球体として現れた」
「魔力は、球体として現れるのが当たり前であろう」
「当たり前の筈なのです。
気が付きませぬか?
この違和感に・・・」
七つの球体に目をやる村長。
「そ、そんな・・・
色が無い!?」
「色が無いと言うことは、六属性のどれでも無いという事。
そして、魔力の球体が七つ・・・
本来、魔力の球体は一人につき一つ・・・
六属性の象徴、長たる者の証として、生を受ける者達には同時に三つ現れるもの。
スノ、貴女が行なってきた魔法テストの本当の意味を知るという事は、スノが村から旅立たなければならないという事。
重要たるその意味を知りたいのですか?」
何なのかは判らないけれど、スノの中でキサラの語る【本当の意味】を知りたいと思っていた。
「はい、知りたいです」
「これより貴女は、一つ一つの神殿を旅して周り、祝福の種を球体に宿しなさい。
その先には何があるのかは分かりませんが、貴女のためになると信じていますよ」
重要たるやないじゃんかーっ、心の中で突っ込む。